最近の石炭等エネルギーの開発・利用の動向

[2K0201-07-03] 木質バイオマスチップを用いたハイブリッド石炭地下ガス化（H-UCG)に関する基礎研究

○板倉 賢一¹、高橋 一弘¹、濱中 晃弘²、出口 剛太³、児玉 淳一⁴ (1. 室蘭工業大学、2. 九州大学、3. 地下資源イノベーションネットワーク、4. 北海道大学)

キーワード：石炭地下ガス化、木質バイオマス、ハイブリッドUCG

石炭と木質バイオマスのガス化の成分は、ほぼ同じと言われている。本研究では，石炭地下ガス化（UCG）のガス化炉で木質バイオマスチップを投入して，石炭と同時にガス化するための，基礎実験を行った。このガス化手法のメリットは，木質バイオマスをガス化する際に多く発生するタール分を地下に留めておけること，木質バイオマスはカーボンニュートラルと見なされ，FIT（再生可能エネルギーの固定価格買取制度）の対象になる点などである。

基礎実験では，石炭と木質バイオマスチップをそれぞれ単体および混合して石英管内でガス化し，温度上昇に対する各種ガス成分濃度の変化を求めた。これを，不活性ガス下と空気下で実験し，成分濃度の違いや，それらの温度依存性を調べた。また，人工炭層を用いた石炭の地下ガス化実験中に木質バイオマスチップを投入し，温度変化や生産ガス成分の違いを調べた。これらの結果をもとに，実規模でUCGガス化炉に木質バイオマスチップを投入する際の，効果について検討した。