資源・素材2019(京都)

講演情報(2019年8月9日付 確定版)

企画講演

鉱業史

2019年9月26日(木) 13:00 〜 16:50 第1会場 (C1 1階 講義室3(172))

開催挨拶:日本鉱業史研究会会長 大石 徹 (日鉄セメント株式会社)
司会:久間 英樹(松江工業高等専門学校)、中西 哲也(九州大学総合研究博物館)

13:35 〜 14:05

[3K0101-07-02] 16世紀末から17世紀初頭の佐渡鉱山―銀山から金銀山へ―

○井澤 英二1 (1. 九州大学)

キーワード:佐渡鉱山、合せ吹、銀山、金銀山、16-17世紀

鉛に乏しい銀鉱に、銀の捕集剤として鉛を合わせて製錬する新技術「合せ吹」が、1533(天文2)年に石見銀山で成功した。佐渡では1542(天文11)年に鶴子の鉱脈が発見されと伝えられる。「合せ吹」を適用した16世紀の新銀山である。鶴子の鉱石に金が含まれることは知られていたが、少量で経済性がなく分け取ることは行われなかった。1594(文禄5)年に鶴子で坑道堀が始まり、佐渡の銀生産地域は新穂や相川へと拡大した。慶長期(1596-1615)の生産は銀を主とするもので、佐渡鉱山は佐州銀山と呼ばれている。17世紀初頭には銀の捕集剤として水銀を用いるアマルガム法も盛んに行われた。また、相川の鉱石の一部からは金に富む精鉱が生産されるようになった。元和期(1615-1624)に佐渡鉱山の経営は金の生産を重視した方式に改革され、選鉱と製錬は金銀の生産技術へと大きく変化した。17-18世紀を通して佐州銀山という呼び方は残るものの、佐渡鉱山は17世紀の初期に銀山から金銀山へと変化したのである。19世紀には佐州金銀山の名称が定着して、現在も佐渡金銀山の名が使用される。

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