資源・素材2019(京都)

講演情報(2019年8月9日付 確定版)

一般講演

鉱物処理・環境・リサイクル

2019年9月26日(木) 13:00 〜 17:10 第4会場 (C1 1階 講義室1(192))

司会:鈴木 祐麻(山口大学)、三木 一(九州大学)

14:20 〜 14:40

[3K0409-20-05] Chalcopyrite bioleachingにおける塩化物イオンの影響評価(発表者:修士課程)

○野口 晴生1、沖部 奈緒子1 (1. 九州大学)

キーワード:黄銅鉱、バイオリーチング、塩化ナトリウム、溶液電位

一次硫化銅鉱物chalcopyriteは難処理性ではあるが、その豊富な埋蔵量により将来的な銅資源として期待されている。本研究では、世界的な地下水塩水化問題とそれに伴う鉱業用水確保問題を背景に、NaClがchalcopyriteのbioleachingに及ぼす影響を評価した。低電位条件下(600 mV程度)ではchalcopyriteが中間体 chalcocite (Cu2S) を経由して銅浸出が促進される報告がある。従って、本系では、Cl-によるchemical leaching効果、Fe3+を介したbioleaching反応、またCl-による微生物活性阻害に基づく溶液電位制御効果が、複雑に影響し合うものと考えられ、個々の関与を詳細に議論する必要がある。

中度好熱・超好酸性の鉄酸化菌および硫黄酸化細菌から成るmixed culture、硫黄酸化細菌のみのpure cultureにて十分な細胞増殖が確認された後、NaCl濃度を2%に調整してCu浸出挙動を観察した。その結果、最大Cu浸出速度は無菌系で観察され、Cl-のchemical leaching効果が有機物の存在により低減する傾向が見られたものの、酸の消費に伴ってCu溶出が抑制した。高電位のmixed cultureではCu浸出が抑制され、一方、低電位のpure cultureではCu浸出が継続し、最終Cu浸出が最大となった。以上の結果より、塩水をchalcopyrite浸出に使用する場合、低電位および低pHを維持するためには、硫黄酸化細菌の活性を利用することが効果的であることが示唆された。

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