鉱物処理

[2P0121-29-06] 海水を用いたCu-Mo選択浮遊選別に関する研究 (発表者：学士課程)

○瀬元 祐希¹、Suyantara Gde Pandhe Wisnu¹、三木 一¹、平島 剛²、笹木 圭子¹、青木 悠二²、黒岩 樹人²、田中 善之² (1. 九州大学、2. 住友金属鉱山株式会社)

キーワード：銅、黄銅鉱、輝水鉛鉱、浮遊選別、海水

銅需要は近年増加傾向にあるが、開発ざれる銅鉱山においては、銅鉱石の低品位化、難処理鉱化が進んでいる。難処理銅鉱の一つとして、輝水鉛鉱(molybdenite; MoS₂)が黄銅鉱（chalcopyrite; CuFeS₂）などの銅鉱物に随伴しているものが知られている。現在、銅-モリブデンを分離回収する際、NaHS添加-選択浮選法が使われているが、この方法は取り扱いの難しいNaHSを使用するために特殊なプラントが必要とされる。また淡水を使用する必要があるため、淡水を得ることが困難な地域では、海水や地下水の淡水化が必要とされている。
　本研究では黄銅鉱、輝水鉛鉱の選択浮遊選別において、NaHS代替物として各種浮遊選剤を添加し、浮遊選別実験において検討を行った。その結果、環境負荷が少なく、コストも低い方法で銅-モリブデンの選択分離が可能となる条件を見出した。また本法は、海水中においても適用可能であり、脈石となる黄鉄鉱の分離にも利用できた。