一般社団法人資源・素材学会 2021年度 春季大会

講演情報(2021年1月29日付 確定版)

企画講演

銅原料中の不純物低減の取り組み

2021年3月8日(月) 13:00 〜 16:30 第3会場

司会:神谷太郎(JOGMEC)

14:50 〜 15:20

[1K0301-05-04] 九州大学における銅原料中からのヒ素低減技術開発の取り組み

○三木 一1、Suyantara Gde Pandhe Wisnu1、平島 剛2、沖部 奈緒子1、笹木 圭子1、青木 悠二2、忰山 卓矢2 (1. 九州大学、2. 住友金属鉱山株式会社)

司会:神谷太郎(JOGMEC)

キーワード:含ヒ素銅鉱物、浮遊選別、加熱―磁力選別、バクテリア浸出

銅需要の増大に伴う高品位銅鉱床の減少等により、低品位銅鉱石や難処理鉱からも銅の回収が必要とされてきている。難処理鉱の中には、含ヒ素硫化銅鉱を随伴する場合があり、ヒ素成分の除去が必要となるが、分離は困難であり、銅の鉱物処理における最も重要な課題の一つとされている。
九州大学では、JOGMEC事業「銅原料中の不純物低減技術開発」における、住友金属鉱山株式会社の受託研究「実際の銅鉱石に適した高ヒ素含有鉱石分離プロセスおよび高ヒ素含有銅鉱石処理プロセスの開発」を2017年より行ってきている。研究は主に3つのテーマを取り扱っており、これらは、含ヒ素銅鉱物を含む銅精鉱の加熱-磁力選別、含ヒ素銅鉱石および精鉱の浮遊選別、含ヒ素銅精鉱のバクテリア浸出処理に関する研究である。実操業に即したプロセスの検討のため、鉱石の粉砕段階からの実験を行ってきており、特に浮遊選別においては、従来不可能とされてきた含ヒ素銅鉱物と非含ヒ素銅鉱物を、低コストおよび環境負荷の低い方法で選択浮遊選別できる可能性を見出してきている。この他、従来の焙焼加熱によるヒ素の揮発法と比較して低温度(400℃以下)の加熱後、磁力選別による銅ヒ素分離についての研究、選択浮遊選別で除去された後の含ヒ素鉱物の処理等を念頭に置いたバクテリア浸出処理の研究など、包括的な銅原料中からのヒ素低減技術について紹介する。

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