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[3K0208-12-05] 銅製錬工程排水の中和処理における生成石膏中のフッ素含有低減
司会:川村 茂(秋田大学)
キーワード:排水、廃水、フッ素、石膏、錯体
非鉄金属製錬所の排水には硫酸、フッ素などの陰イオン種、そして種々の重金属が含まれている。このような硫酸イオンを多く含む強酸性排水はCa化合物を添加して中和処理されることが多いが、中和によって生じるCaSO4(石膏)は回収して再利用することが可能である。しかしフッ素濃度が高い硫酸系排水においては単にCa分を添加して石膏を生成させると、CaSO4沈殿反応とともにCaF2沈澱反応も生じ、結果としてフッ素含有の高い石膏が生成してしまう。石膏はセメントの仕上工程でクリンカへの混合原料としても利用されるが,フッ素は水質および土壌に係る環境基準の対象項目であるため、このような石膏はセメント仕上工程の原料として利用することは困難である。本研究ではセメント仕上工程原料として利用可能な品質の石膏を硫酸系排水から回収することを目的とし,回収石膏中のフッ素含有を低減させる方法を検討した。その結果,排水中にAlを溶解しAl-F錯体を形成させることによってフッ化カルシウムの生成反応を抑制し,フッ素含有の低い石膏を選択的に沈殿させる方法を見出した。特に液中のAl/F物質量比と中和pHを適切に制御することでフッ素と重金属濃度の低い石膏が生成可能であった。
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