14:00 〜 14:20
[2K0301-10-04] (学生発表:修士課程) フッ酸を用いないTa, Nbの新製錬―不純物の選択除去
司会:八木俊介(東京大学)
キーワード:タンタル、ニオブ、溶融塩、非フッ酸溶解、低品位鉱石
Ta, Nb鉱石は一般的にフッ化水素酸(以下, フッ酸)を用いて製錬されている。しかし, フッ酸は腐食性, 毒性が高く, さらにフッ素含有廃液の処理問題もあるため, 可能な限り使用量を削減すべき物質である。前報ではNH4HSO4を用いたTa, Nb鉱石の新たな液化処理法を提案した。Ta2O5 2.50%, Nb2O5 54.2%を含有する鉱石をNH4HSO4と共に溶融し, 凝固させた後に水浸出するとTa, Nb以外の不純物(Fe, Mn等)の大部分が水溶液側に除去され, Ta, Nbが濃縮した白色沈殿が得られた。この白色沈殿は非フッ酸系の酸で溶解可能であり, 最終的に鉱石中のTa, Nb のほぼ全量を液化することに成功した。しかし, 前回使用した鉱石はNb2O5よりNH4HSO4との反応性が低いTa2O5の含有量が低かった。本研究では, 実際のTa製錬で用いられる鉱石(Ta2O5 41.4%, Nb2O5 15.9%)を用いて同様の実験を行った。その結果, TaおよびNbの水溶液への浸出率はそれぞ97.3%および98.8%に達し, 本プロセスの有効性が示された。また, 白色沈殿を800℃程度で加熱した結果, 高純度なTa2O5, Nb2O5混合酸化物が得られた。本プロセスを低品位鉱石のアップグレーディング技術として活用することも期待できる。
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