【企画講演】 粉体精製工学部門委員会「学生賞セッション」［3/17(日) PM 第2会場］

[1K0201-06-04] 4-アセチルアニリンを用いた金属含有塩酸溶液からの白金選択沈殿回収

○作田 善哉^{1[学士課程]}、松本 和也¹、寺境 光俊¹ (1. 秋田大学)

司会：松岡 光昭（関西大学）

キーワード：白金族金属、沈殿回収、塩酸溶液、芳香族第一級アミン

白金族金属は固有の物理的性質や化学的性質を持ち、産業上重要な金属である。その中でも白金は、自動車用排ガス浄化触媒や燃料電池の電極触媒として用いられている。使用済みの触媒等から金属をリサイクルする際には、特定の金属を選択的に分離回収することが求められているが、白金はパラジウムなどの他の金属に優先して選択的に回収することが困難である。本研究では、第一級アミノ基を有する4-アセチルアニリンを沈殿剤とした白金選択沈殿回収について検討を行ったので報告する。4-アセチルアニリンを添加することで、白金を含む塩酸溶液から白金を定量的に回収することに成功した。また、白金やパラジウム、ロジウムといった白金族金属に加え、マグネシウムやセリウム等の金属が多量に含まれている塩酸溶液を用いた場合にも、白金の定量的かつ高選択的な沈殿回収が達成された。4-アセチルアニリンを用いることで多段階の工程を経ることなく高選択的に白金を回収できるため、本研究の回収法は実用性の高い白金回収方法として期待される。