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[P061B] 銅電解精製アノードの溶解過程を考慮した金属線巻き銅棒の電位分布測定
キーワード:銅電解精製、アノード溶解、電位分布、ガルバニック腐食
銅電解精製におけるアノードには不純物が含まれており,銅とガルバニック対を形成してガルバニック腐食を引き起こすと考えられる.このため,アノード溶解過程中の粗銅表面の電位および電流分布が一様ではないことを考慮し,基礎的な研究を行った.実験は,2本の銅電線を平行に配置し,定電流を印加した際のアノード表面の電位分布を測定した.アノード電極には,銅およびその不純物の電気化学的挙動を調査する目的で,標準電極電位が銅よりも卑な金属である亜鉛,および貴な金属である銀の金属線を銅アノード中央部に巻きつけた.電解液は硫酸銅-硫酸混合溶液(Cu:50g/L, H2SO4: 200g/L)を使用した.電位測定には,Ag/AgCl参照電極を電位センサとして用いて,電極間を平行に走査し,電位を記録した.測定の結果,銅より卑な亜鉛の金属線を巻きつけた中央部では,電位が銅のみの位置に比べ,電位が低下していることが確認できた.また,銅より貴な銀の金属線を巻きつけた中央部では,電位が銅のみの位置に比べ,電位が上昇していることが確認できた.これらの結果は,亜鉛および銀の電気化学的特性が銅の電位に与える影響,およびガルバニック腐食の発生メカニズムを反映していると考えられる.
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