資源・素材2024(秋田)

講演情報(2024年8月7日付 確定版)

若手・一般ポスター発表

15:15-17:15 ポスター発表(湿式素材プロセッシング) [9/11(水) PM ポスター発表会場]

2024年9月11日(水) 15:15 〜 17:15 ポスター会場b (大学会館 1F クレール)

15:15 〜 17:15

[P069B] 硫酸溶液中のスカンジウムイオンのキレート樹脂への吸着に関する熱力学パラメータの推定

○渡邉 寛人1,2、浅野 聡2、邑瀬 邦明1 (1. 京都大学、2. 住友金属鉱山株式会社)

キーワード:吸着等温線、平衡定数、活量係数、スカンジウム、キレート樹脂

溶液中の金属イオンがイオン交換樹脂に吸着するプロセスのGibbs自由エネルギー変化ΔG0の算出は単純ではなく、Langmuirモデルの平衡定数を用いた導出方法についても多くの議論がある。平衡時の反応物と生成物の活量の比である平衡定数を求めるには活量係数の導出が必要である。活量係数を1と近似できる希薄溶液での熱力学パラメータを同定している文献はあるものの、活量係数が1より小さいあるいは大きい濃度領域で熱力学パラメータを同定した例はない。しかしながら、一般的に吸着等温線は活量係数を1と近似できない広い濃度範囲で作成される。本研究では、硫酸溶液中のSc(III)のキレート樹脂への吸着反応の詳細を把握するため、吸着等温線の熱力学的解析を行った。Sc(III)の一部はSO42-イオンと錯体を形成するため、化学平衡計算により吸着物質であるSc(H2O)63+の濃度および活量係数を算出し、吸着等温線を作成した。Langmuirの吸着等温式から平衡定数を求めvan’t Hoffの式より熱力学的パラメータを求めたところ、Sc(III)のキレート樹脂への吸着は吸熱反応と示唆された。