11:00 〜 11:25
[2101-06-05] 反応誘起破壊が拓く加速度的二酸化炭素鉱物固定
司会:羽柴 公博(東京大学)
キーワード:鉱物炭酸塩化、反応誘起破壊、蛇紋岩、ブルース石
岩石と二酸化炭素の反応により炭酸塩鉱物を生成する鉱物炭酸塩化は,熱力学的に安定で恒久的な二酸化炭素固定技術として注目されている[1].一方,これらの反応は数十%におよぶ大きな体積膨張を伴うため,岩体スケールからポアスケールまで目詰まりしないで反応が進行するメカニズムが必要である.自然界では,反応に伴う体積膨張によって岩石が階層的に破壊し,流体流動が加速し,反応がより進行する反応誘起破壊が示唆されている[2].一方で,室内実験では岩石を水や二酸化炭素と反応させると目詰まりをしてしまい,炭酸塩化反応で反応誘起破壊を明瞭に再現した実験は無いのが現状であった.本研究では,室内実験でも十分に反応が進行するMgOの加水反応[3]やMg(OH)2の炭酸塩化反応をアナログ物質として,体積膨張反応による力学―水理学応答を探索し,炭酸塩化反応でも反応誘起破壊が生じ,流体の流れや反応が加速することを示す.さらに,室内実験からフィールドスケールまで,反応誘起破壊が起こる条件について,反応速度と物質輸送速度に基づいたスケール則を提案し,炭酸塩化反応の加速条件について議論する.
[1] NAS Agenda (2019)
[2] Matter and Kelemen (2009) Nature Geoscience
[3] Uno et al. (2022) PNAS
[1] NAS Agenda (2019)
[2] Matter and Kelemen (2009) Nature Geoscience
[3] Uno et al. (2022) PNAS
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