資源・素材2024(秋田)

講演情報(2024年8月7日付 確定版)

若手・一般ポスター発表(ショート講演)

ポスター発表ショート講演(環境/リサイクル) [9/11(水) PM 第2会場]

2024年9月11日(水) 13:40 〜 14:56 第2会場 (一般教育2号館 1F 102) (一般教育2号館 1F 102)

司会:菅原 一輝(北九州市立大)

13:44 〜 13:48

[2209-27-02] リサイクル資材を用いた酸性坑廃水の中和処理及び重金属類除去に関する研究

○虻川 優希1[修士課程]、齋藤 健志2、渡部 直喜3、川辺 能成1 (1. 早稲田大学、2. 産業技術総合研究所、3. 新潟大学)

司会:菅原 一輝(北九州市立大)

キーワード:酸性坑廃水、重金属類、中和処理、廃棄物

日本国内には,休廃止鉱山からの坑廃水などの影響で酸性の水質を示す河川が存在し,このような酸性水に対して中和処理を行い,重金属類を除去する必要がある。これまで,中和には炭酸カルシウムなどの薬剤が用いられてきた。しかし,このような天然資源の使用を続けるとコストがかかり環境負荷も大きくなる。よって,より低コストの代替中和剤の利用を考える必要がある。そこで本研究では,牡蠣殻,卵殻,排煙脱硫石膏,リサイクルコンクリート(RC),軽量気泡コンクリート(ALC)の代替中和剤としての利用可能性を検討した。その結果,中和の進み方はカルシウム含有量や粒径に依存しており,カルシウム含有量が多い牡蠣殻や卵殻は1.0 g/L程度の少ない添加量でも河川水を中和可能であった。また,粒径の小さいRCやALCは短時間で中和が完了したが添加量を多くする必要があった。一方,排煙脱硫石膏は中和能力がないことが明らかになった。酸性水を中和できた牡蠣殻,卵殻,RC,ALCは鉄やヒ素を排水基準未満まで除去することも可能であった。以上より牡蠣殻や卵殻が有望な中和剤となる可能性が見いだされた。