資源・素材2024(秋田)

講演情報(2024年8月7日付 確定版)

一般講演

【一般講演】 鉱物処理 [9/11(水) AM 第3会場]

2024年9月11日(水) 09:00 〜 12:00 第3会場 (一般教育2号館 1F 103) (一般教育2号館 1F 103)

司会:ジョン サンヒ(秋田大学)、三木 一(九州大学)

●鉱物処理:天然鉱物資源の選鉱・製錬分野(物理選別,浮遊選鉱,バイオリーチング,ケミカルリーチング等)における新手法開発,新たな対象物への適用技術開発等について議論を行う。

<発表時間20分中、講演15分、質疑応答5分/1件>

10:40 〜 11:00

[2301-08-05] ニッケル酸化鉱スラリー濃縮工程におけるヘテロ凝集発現に関与する鉱物の特定

○金子 高志1、大塚 啓司1、渡邉 寛人1 (1. 住友金属鉱山株式会社)

司会:三木 一(九州大学)

キーワード:沈降、ゼータ電位、ヘテロ凝集、ニッケル酸化鉱

住友金属鉱山株式会社の子会社であるコーラルベイ・ニッケル・コーポレーション(フィリピン)、タガニートHPALコーポレーション(フィリピン)ではHPAL(High Pressure Acid Leach)プロセスを用いて低品位のニッケル酸化鉱からニッケルを回収している。このプロセスではシックナーでスラリーを固液分離し、固形分を濃縮したスラリーをオートクレーブに移送して高圧高温条件で硫酸によりニッケルを浸出する。ニッケル酸化鉱の沈降性が悪い場合、シックナーでスラリーの固液分離が悪化し、固形分の濃縮不足により、オートクレーブへの鉱石供給量が低下する。その結果、生産量の低下を招く。
ニッケル酸化鉱のゼータ電位と沈降性について調査した結果、ゼータ電位の絶対値が30mV以上の鉱石は沈降性が悪く懸濁しやすいことが分かった。そこでゼータ電位が正電荷の鉱石と負電荷の鉱石をブレンドし、ヘテロ凝集を発現させ沈降性を改善した。本報告では、改善手法に用いたヘテロ凝集の発現に関与した鉱物を調査し、特定した結果について述べる。