資源・素材2024(秋田)

講演情報(2024年8月7日付 確定版)

若手・一般ポスター発表(ショート講演)

ポスター発表ショート講演(鉱物処理/リサイクル) [9/11(水) PM 第3会場]

2024年9月11日(水) 13:40 〜 14:56 第3会場 (一般教育2号館 1F 103) (一般教育2号館 1F 103)

司会:高谷 雄太郎(東京大学)

13:56 〜 14:00

[2309-27-05] コバルトリッチクラストの有機酸リーチング

○近藤 彰太1[修士課程]、沖部 奈緒子1 (1. 九州大学)

司会:高谷 雄太郎(東京大学)

キーワード:海底資源、コバルトリッチクラスト、有機酸、ケミカルリーチング

本研究では、環境負荷およびコストを抑えたコバルトリッチクラスト(CRCs)の代替的湿式製錬法の開発を目指し、有機酸による有価金属の浸出・回収法を検討した。まず、3種の有機酸(クエン酸、シュウ酸、タンニン酸それぞれ50 mM)を浸出剤とし、嫌気的または好気的条件でリーチング試験を行った。次に、条件を絞り有機酸濃度を振った試験を実施した。この結果、クエン酸0.1 M系では、好気条件においてクエン酸とCoやNiが錯体を形成することによって、Co浸出>80%、Ni浸出>90%、Mn浸出>99%を達成した。シュウ酸0.25 M系では、好気条件においてMn浸出は>99%であり、この際FeとAlも>90%浸出した。一方、Co、Ni、Caは溶解後にシュウ酸錯体として沈殿した。この結果から、シュウ酸が金属と選択的に錯体を形成することによって、CRCsから金属を固相と液相に分離することが可能であることが示唆された。タンニン酸0.1 M系では、嫌気条件において、Co浸出>80%、Ni浸出>80%、Mn浸出>99%であった。FeがほぼFe2+の状態で40%浸出していることから、タンニン酸系では錯形成反応に加え、鉄還元反応によってCRCs溶解が促進されていることが示唆された。