ポスター発表ショート講演（高温素材プロセッシング） ［9/11(水) PM 第6会場］

[2607-23-12] 活性金属ケイ化物による窒化ケイ素の濡れ性

○西 翔大^{1[修士課程]}、福嶋 理紀¹、北山 幹人¹ (1. 福岡工業大学)

司会：岸本 章宏 （京都大学）

キーワード：窒化ケイ素、濡れ性、活性金属ケイ化物

窒化ケイ素（Si₃N₄）粉末は、太陽電池に使われるソーラーグレードシリコンを製造するための離型剤として使用されてきた。このことから、溶融Siは基本的にSi₃N₄に対して濡れないことは、良く知られている。これまで、Si₃N₄に対する溶融Si及びSi合金の濡れ性については多くの研究が成され、Siに添加する金属の種類や雰囲気が濡れ性に対して大きな影響を与えることが報告されてきた。酸素分圧がSi₃N₄と溶融Siの濡れ性に大きく関与しており、Si₃N₄粒子表面に存在する酸窒化ケイ素が溶融Siの濡れ性を低下させていることが報告されてきた。しかし、濡れ性を改善する目的で添加される活性金属の効果に関する報告は少ない。本研究では、３種類の活性金属ケイ化物MSi_x（M = Ti, Zr, Y）を用いてSi₃N₄の濡れ性試験を行い、活性金属の種類と添加量、及び、熱処理条件（温度と雰囲気）が濡れ性に及ぼす影響を調査した。その結果、これらの活性金属ケイ化物は、真空雰囲気では良好な濡れ性を示すのに対して、Ar雰囲気では全く濡れないことが分かった。また、真空雰囲気での濡れ角は、基本的に、M/MO_xの平衡酸素分圧に影響されることを確認した。