【企画講演】ゼロエミッション社会構築にむけたCCS/CCUS技術開発 ［9/12(木) PM 第2会場］

[3209-16-07] CCSにおけるCO₂輸送過程におけるアミン水溶液の利用

○福嶋 翔伍^{1[修士課程]}、高頭 周作¹、大川 浩一¹、任 傑¹、加藤 貴宏¹ (1. 秋田大学)

司会：江崎 丈裕 (九州大学）

キーワード：CCS、CO2輸送、アミン水溶液

CCSは、石炭火力発電所などの固定CO2排出源からCO2を選択的に分離回収し、貯留に適した地点に貯留する技術である。CO2排出源と貯留適地が離れる場合は、排出源からCO2を長距離輸送する必要がある。これに対し、液化CO2を用いた大規模な船舶輸送が提案されている。しかし、液化CO2は-20℃、2 MPaの低温・高圧条件で制御する必要があるため、事故の際にガス漏れ等が懸念される。そのため、安全なCO2輸送方法が望まれる。アミンは常温常圧下でCO2を固定できるが、揺れ等による脱離を抑制するには流動性を有さないことが望ましい。そこでCO2吸収後に固体が生成する液固相変化アミンを利用することで輸送時の液漏れの課題の解消が期待できる。しかしながらCO2吸収時に固体が生成すると、CO2吸収量および吸収速度が低下する懸念がある。本研究では、高い吸収量と吸収速度を有する第１級アミンである2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)に着目し、アミン濃度におけるCO2吸収特性と固体生成挙動を明らかにした。また、AMP水溶液の相変化を制御し、CO2の吸収過程では液体、CO2輸送過程では固体にすることで、CO2の吸収速度と吸収量を低減させずに、貯留地まで安全にCO2を輸送する方法を検討した。