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[3401-08-03] LIB用正極におけるバインダー結着力低減による水中超音波剥離の促進
司会:林 直人(産業総合技術研究所)
キーワード:リチウムイオン電池、電極、剥離、超音波処理、リサイクル
自動車の電動化や蓄電池技術の活用などリチウムイオン電池の使用量が増加している。我々は資源の有効活用に向けて、電池リサイクルの前処理技術として、水中超音波処理により電極合材を高純度に剥離する技術を構築している。今回は、超音波剥離技術を市販リチウムイオン電池へ適用すべく、市販18650型電池4種の正極について、水中超音波処理および熱処理後の水中超音波処理を実施した。超音波処理前の200℃~400℃での熱処理による合材の剥離促進効果を確認した。使用したNi、Co、Mn(NCM)およびNi、Co、Al(NCA)三元系の正極では、熱処理により重量およびバインダー成分のフッ素量が減少し、バインダーが分解していることが示唆された。NCM系正極では、フッ素量の減少により合材の切削強度が低下し、水中超音波処理による合材剥離率は95%以上に上昇した。以上のことから、熱処理によりバインダーを分解し、結着力を低減し、合材層内の結合を弱めた上で超音波処理すると剥離を促進する効果があることがわかった。
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