資源・素材2024(秋田)

講演情報(2024年8月7日付 確定版)

企画講演

【企画講演】資源社会システム [9/12(木) AM 第5会場]

<現地+オンラインのハイブリッド開催>

2024年9月12日(木) 09:00 〜 11:30 第5会場 (一般教育2号館 3F 301) (一般教育2号館 3F 301)

司会:村上 進亮(東京大学)

●2023年に資源社会システム部門委員会を設立した。本委員会は、資源経済部門委員会との統合を行い、同部門委員会がこれまで担ってきた鉱山開発の上流側の事柄、特により現場に近いメンバーからの知見を集約し活用することも活動範囲として含める。資源開発・リサイクル技術についても念頭に置きつつ、社会全体での資源利用の効率化を目指した社会システム設計に資する議論を行う。

<発表:25分中、講演20分、質疑応答5分/1件>

09:05 〜 09:30

[3501-06-02] 鉱山開発における生物多様性保全およびネイチャーポジティブ実現に向けた活動

○花田 晶子1 (1. 太平洋セメント株式会社)

司会:村上 進亮(東京大学)

キーワード:生物多様性、ネイチャーポジティブ、石灰石、希少植物、組織培養法

当社および当社グループは、事業活動において生物多様性と最もかかわりがある石灰石鉱山で、希少動植物の保全、採掘区域・跡地の緑化活動など、自然保護の取り組みを進めている。現地鉱山では播種・挿し木などの伝統的手法により、自生する希少植物の保存・育成を行っているが、現地での栽培や増殖が困難な植物種があり、また気象異変や病害虫、動物による食害などによって絶滅の懸念がある。そこで研究所では、伝統学的手法と組み合わせることで確実な保護を実施すべく、「組織培養法」と呼ばれるバイオ技術保存手法を開発し、これまでに10種の希少植物の安定保存と増殖に成功している。増殖した希少植物は、採掘地への植え戻しを実施することで鉱山の生物多様性保全に寄与する。
加えて、生物多様性保全の取り組みを一層推進し、ネイチャーポジティブ実現に貢献すべく、環境省が主導する「生物多様性のための30by30アライアンス」に2023年に加盟し、当社グループ鉱山地区の緑化・保全地域などでOECM(民間等による生物多様性保全に貢献する地域)登録を目指している。
本報告では、これら鉱山開発における生物多様性保全とネイチャーポジティブ実現に向けた取り組みについて紹介する。