資源・素材2024(秋田)

講演情報(2024年8月7日付 確定版)

企画講演

【企画講演】資源社会システム [9/12(木) AM 第5会場]

<現地+オンラインのハイブリッド開催>

2024年9月12日(木) 09:00 〜 11:30 第5会場 (一般教育2号館 3F 301) (一般教育2号館 3F 301)

司会:村上 進亮(東京大学)

●2023年に資源社会システム部門委員会を設立した。本委員会は、資源経済部門委員会との統合を行い、同部門委員会がこれまで担ってきた鉱山開発の上流側の事柄、特により現場に近いメンバーからの知見を集約し活用することも活動範囲として含める。資源開発・リサイクル技術についても念頭に置きつつ、社会全体での資源利用の効率化を目指した社会システム設計に資する議論を行う。

<発表:25分中、講演20分、質疑応答5分/1件>

09:55 〜 10:20

[3501-06-04] 責任ある鉱物調達に向けた課題:社会科学と自然科学・工学分野の協働の必要性

○渡邊 絢子1 (1. 秋田大学)

司会:村上 進亮(東京大学)

キーワード:責任ある鉱物サプライチェーン、責任ある鉱物調達、人権・環境デューディリジェンス

「ビジネスと人権」や責任ある企業行動など、特に2010年代以降に強まった企業の社会的責任を問う世界的潮流のなかで、資源産業の取組みは比較的長い歴史を持つ。2000年代には、政府、国際機関、NGOなどにより、紛争鉱物問題に対し企業にデューディリジェンスを求めるルール作りが行われてきた。一方の業界は政府と連携しつつ、鉱物の加工流通過程の追跡、鉱物や鉱山、精錬所の認証など、取組みの確立を急いできた。これら動きが2011年に『ビジネスと人権に関する国連指導原則』が国連人権理事会で承認されるのとほぼ同時期に進んできたことは特筆すべきである。現在では、紛争と鉱物資源の結びつきを超えて、より広範な人権と環境への負の影響の是正を目指す、責任ある鉱物調達の実現に向けた取組みが広がっている。
 とはいえ、現状の取り組みに課題がないわけではない。サプライチェーンの川下にある企業は、川上の情報の取得と精査に困難を抱えている。本報告では、今日までの国際的な政策の動向と課題、およびその要因について分析し報告する。また、当該テーマに対し、社会科学と自然科学・工学分野の研究者との協働の必要性について議論する。