資源・素材2024(秋田)

講演情報(2024年8月7日付 確定版)

一般講演

【一般講演】 湿式素材プロセッシング [9/12(木) AM 第6会場]

2024年9月12日(木) 09:00 〜 11:40 第6会場 (一般教育2号館 3F 302) (一般教育2号館 3F 302)

司会:関本英弘(岩手大学)、佐々木 秀顕(愛媛大学)

●湿式素材プロセッシング:湿式製錬,リサイクル,水溶液をはじめとする溶液系での新素材の製造に関する反応,電解もしくはバイオリーチングなどについてその熱力学・速度論などの学問的議論を行う。

<発表:20分中、講演12分、質疑応答8分/1件>

10:40 〜 11:00

[3601-07-05] イミノジ酢酸系キレート樹脂へのSc(III)吸着時の残留Cr(III)の影響

○渡邉 寛人1,2、浅野 聡1、邑瀬 邦明2 (1. 住友金属鉱山株式会社、2. 京都大学)

司会:佐々木 秀顕(愛媛大学)

キーワード:スカンジウム、クロム、キレート樹脂、吸着、再利用

住友金属鉱山では、ニッケル酸化鉱からニッケルを回収するプロセスの工程液(硫酸酸性溶液)に含まれるスカンジウムイオンSc(III)をイオン交換樹脂法により回収している。演者らはこれまでイミノジ酢酸系キレート樹脂とCr(III)の親和性が高く、吸着したCr(III)を完全に溶離することは容易ではないことを報告した。本研究では、キレート樹脂を繰り返し使用する場合に残留したCr(III)がSc(III)の吸着に及ぼす影響について調査し、適切なCr(III)残留量について把握することを目的とした。そこで、Cr(III)が残留量の異なるキレート樹脂を調製し、バッチ試験およびカラム試験でSc(III)の吸着挙動を調査した。カラム試験による調査で、Cr(III)残留量が0.19 mmol g-1以下であれば、吸着温度の低温化により、Sc(III)を効率的に吸着できることが示唆された。これまでの調査と本研究の知見をもとに、吸着操作および溶離操作を適切な条件で実施するプロセスを構築すれば、キレート樹脂を繰り返し使用しても効率的かつ継続的なスカンジウム回収が期待できる。