一般社団法人資源・素材学会 2025年度 春季大会

講演情報(2025年2月5日付 確定版)

企画講演

【企画講演】粉体精製工学部門委員会「学生賞セッション」  [3/12(水) PM  第2会場]

2025年3月12日(水) 13:00 〜 16:30 第2会場(6号館 3階 632)

司会:村山 憲弘(関西大学)、松岡 光昭(関西大学)、綱澤 有輝(産業技術総合研究所)、高谷 雄太郎(東京大学)、相川 公政(産業技術総合研究所)

●粉体精製工学部門委員会では、粉体精製工学に関係する研究を行う学生の研究意欲の向上、活性化のために、毎年「学生賞セッション」を企画している。昨年度に引き続き、本年度も「学生賞セッション」を開催し、学生の日頃の研究の成果を企画セッション内で披露するとともに、粉体精製工学部門委員会ならびに他の聴講者との活発的なディスカッションを行うことで、学生の研究の質の向上ならびにネットワークの構築を図る。

<発表:20分中、講演15分、質疑応答5分/1件>

13:25 〜 13:45

[1K0201-08-02] チオ硫酸アンモニウムによる難処理鉱石からの金浸出
~浸出率向上と環境負荷低減を目指したマイクロエンカプセレーション技術の適用~

○佐藤 風希1[学士課程]、パク イルファン1、廣吉 直樹1、伊藤 真由美1 (1. 北海道大学)

司会:松岡 光昭(関西大学)、綱澤 有輝(産業技術総合研究所)

キーワード:金、難処理鉱石、硫砒鉄鉱、マイクロエンカプセレーション、チオ硫酸アンモニウム浸出

様々な用途に使用される重要な貴金属である金は、脱炭素社会の実現に重要な役割を果たすことからその需要は一貫して増加すると予測されている。
現在、鉱石からの金浸出にシアンを用いた浸出法が広く利用されているが、毒性が強いため使用を制限する動きがある。そのためチオ硫酸アンモニウムのような環境に優しい溶剤が検討されている。チオ硫酸アンモニウムはシアンと比べて毒性や腐食性が低く、金に対する選択性が高いという特徴を有している。
しかし、チオ硫酸アンモニウムによる金の浸出率は硫化鉱物が共存するとチオ硫酸の分解が促進されるため著しく低下する。そこで、マイクロエンカプセレーション技術を適用する。これは硫化鉱物の表面に不働態被膜を形成することにより分解反応を抑制するものである。また、この被膜は硫化鉱物に含まれるヒ素が水、酸素と反応して起こる有毒物の放出も抑えることが可能と考えられる。
本研究の目的は、金を効率的に回収するための環境に優しいプロセスを開発することである。具体的には、マイクロエンカプセレーション技術とチオ硫酸浸出法を組み合わせることでより高効率で環境負荷の少ない金回収プロセスを実現することを目指す。

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