【企画講演】粉体精製工学部門委員会「学生賞セッション」　 ［3/12(水) PM 　第2会場］

[1K0201-08-03] 第一級アミン化合物をアンモニア徐放剤とした塩酸溶液からの
白金選択沈殿回収

○作田 善哉^{1[修士課程]}、松本 和也¹、寺境 光俊¹ (1. 秋田大学)

司会：松岡　光昭（関西大学）、綱澤　有輝（産業技術総合研究所）

キーワード：白金族金属、沈殿回収、塩酸溶液、アンモニア徐放剤

白金族金属は固有の物理的性質や化学的性質を持ち、産業上重要な金属である。特に白金は自動車用排ガス浄化触媒や燃料電池の電極触媒として用いられている。使用済みの触媒等から金属をリサイクルする際には、特定の金属を選択的に分離回収することが求められているが、白金はパラジウムなどの他の金属に優先して選択的に回収することが困難である。本研究では、第一級アミン化合物をアンモニア徐放剤とした塩酸溶液からの白金の選択沈殿回収法について検討を行ったので報告する。白金、パラジウム、ロジウムを含む塩酸溶液にメラミンを添加し長時間加熱させたところ、メラミンが分解し白金の選択的な沈殿回収に成功した。単結晶X線構造解析の結果から、ヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウムの形成が認められメラミンがアンモニアの徐放剤として働き、高純度の白金が得られたと考えられる。メラミンを用いることで、多段階の精製を経ることなく高純度、高選択的な沈殿回収が可能であるため白金の沈殿剤として有望であると期待される。