16:30 〜 16:50
[1110-19-10] 空間制約付きスペクトル非線形分離法による可視・反射赤外リモートセンシング画像からの鉱物識別精度の向上
司会:吉光奈奈(京都大学)
キーワード:Cuprite地区、衛星リモートセンシング、スペクトル画像、逆問題、鉱物マッピング
地球観測衛星や航空機による可視・反射赤外リモートセンシング画像は、金属鉱床の生成に関連した熱水変質鉱物の兆候を広範囲から検出するのに応用されている。このとき光学センサの空間分解能の制限により一画素に複数物質が混在するため、混合スペクトルから鉱物組成を逆解析するスペクトル分離技術が不可欠になる。そこで本研究では、ネバダ州Cuprite地域を対象にHyperion、HISUI、AVIRIS、WV3(WorldView-3)の4種の分光画像に、非線形混合モデルおよび空間情報を考慮した新たなスペクトル分離法を適用し、推定鉱物分布を比較した。スペクトル分離ではLCR(Log and Continuum Removal)モデルを基本とし,これとL1正則化やL2,1正則化(協調スパース正則化)によりADMMで解く手法を適用した。その結果、ハイパースペクトルのHyperion、HISUI、AVIRIS画像からは現地調査に基づく鉱物分布と整合的な推定分布が得られた。一方、マルチスペクトルのWV3画像による推定鉱物分布では,空間分解能が4種の中では最も高いが、極端な過小・過大推定が生じた。またL1正則化よりもL2,1正則化の方が、明礬石などの一部の鉱物が過小・過大推定されるという傾向も見出された。いずれの手法も従来手法より識別精度は高く、本提案手法の有効性が実証された。
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