【企画講演】 環境親和性を指向する非鉄金属製錬研究の展開と今後の展望　［9/2(火) AM 　第５会場］

[1501-07-01] 研究の概要

○浅野 聡¹、高橋 純一¹ (1. 住友金属鉱山株式会社　)

司会：鈴木一誓（東北大学）

キーワード：銅製錬、スラグ、クロム、スズ、ヒ素

国内非鉄金属製錬業の持続的発展のため、住友金属鉱山㈱と東北大学多元物質科学研究所は2018年に共同研究部門を開設し、製錬技術の先進化や次世代の非鉄金属製錬技術者の人材教育を図って来た。2024年から第2期を開始し、国内非鉄製錬企業等と連携を深め、非鉄金属製錬技術への支援と技術者の育成と確保に向け、７つのテーマに取り組んでいる。乾式テーマとしては、1)スラグ中銅ロス低減のための銅精鉱反応メカニズムの調査 2)既報の接触法に代わる信頼性の高いマットおよびスラグ融体の熱物性測定3)Eスクラップリサイクル量増加で生じるスラグ粘度上昇の解決に向けた粘度測定 の3件を実施している。湿式テーマとしては、特に銅製錬・ニッケル製錬における「不純物、レアメタル」に関する課題に着目し、1) 転炉煙灰中のスズの回収、2)ヒ素など毒性が高い不純物元素の新規用途開発、3)クロム錯体の挙動調査、4)スカンジウム錯体の錯安定度定数調査および分離プロセス開発に取り組んでいる。研究内容の背景、概要、進捗、ならびに成果の実業展開策の概略について報告する。