資源・素材2025(札幌)

講演情報(2025年8月7日付 確定版)

企画講演

【企画講演】 環境親和性を指向する非鉄金属製錬研究の展開と今後の展望 [9/2(火) AM  第5会場]

2025年9月2日(火) 09:00 〜 11:45 第5会場 (B1棟1階B12)

司会:鈴木一誓(東北大学)、助永壮平(東北大学)

●東北大学と住友金属鉱山株式会社による共同研究部門の活動、研究成果を報告する。アウトリーチ活動として幅広い年齢層に非鉄金属製錬を紹介している。共同研究では、銅熔錬に関連する物性および反応の解析、ダストからの未回収有価金属回収、忌避金属の有効活用、リサイクルを視野に入れた湿式プロセスの基礎的知見として、錯体の解析、制御の研究を展開している。幅広いテーマについて、現状および今後の展開について議論する。

<1〜3=質疑応答なし><4〜10=発表20分中:講演15分、質疑5分/1件>

11:25 〜 11:45

[1501-07-07] 10°Cから50°Cにおける塩酸溶媒中のクロム塩化物錯体分布

○打越 雅仁1、桐島 陽1 (1. 東北大学)

司会:助永壮平(東北大学)

キーワード:クロム塩化物錯体、塩酸、湿式製錬、紫外可視吸収分光

都市鉱山からの有価金属の効率的な抽出方法が望まれており、核となる金属元素同志の分離技術の効率向上は重要である。湿式法による分離精製では、主に抽出剤の開発が盛んであるが、吸着質である水相中における各元素の化学状態は不明であることが多い。あるいは、化学状態が報告されていても、実際の吸着挙動との間に矛盾が認められる場合もある。このような矛盾を解消し、分離技術の開発に貢献する基礎的知見を見出し、効率的精製技術の提案を行うことを本研究の目的とする。Cr資源は豊富でリサイクルの必要を認めないが、用途は多様で多くの場合有価金属と共に使用されている。都市鉱山からの有価金属の効率的回収のためにはCrの除去効率を可能な限り高める必要がある。しかしながら、Crの塩化物水溶液、硫酸水溶液中の化学状態は不明確であり、効率的回収技術確立の妨げとなっている。そこで、Cr錯体の分布を主に紫外可視吸収分光を用いて解析し、イオン交換による吸着反応などの合理的説明を試みる。その一環として、10°Cから50°Cにおける塩酸溶媒中のクロム塩化物錯体分布についての調査結果を報告する。

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