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[2201-09-04] パラジウムの溶媒抽出における抽出剤との形成錯体構造と抽出機構
司会:谷ノ内 勇樹(九州大学)
キーワード:有用金属回収、硫黄架橋型ジチオフェノール系誘導体、X線吸収分光
白金族金属(PGMs)の使用済み製品からの効率的回収のため、高い選択性、効果的抽出、および大抽出容量を有する抽出剤が求められている。我々は硫黄で架橋されたジチオフェノール配位子に基づく新たな抽出剤を合成し、Pd(II)の溶媒抽出に有効であることを見出した。しかし抽出後の抽出剤-Pd(II)錯体構造が不明であった。そこでPd K吸収端における蛍光収量モードX線吸収分光測定を実施し、抽出液から作製した単結晶に対するX線回折測定、解析より導出された錯体構造をベースに抽出液中錯体のPd(II)を中心とする局所環境構造を調べた。HCl水溶液から抽出剤を含むトルエン溶液へのPd(II)抽出率はHCl濃度が0.1から10Mと高くなるに従って低下するが、Pd(II)周囲の配位構造に差異はなく、抽出剤分子中架橋Sと片方のチオフェノールのSおよび2個のClによる平面4配位となっていることがわかった。
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