資源・素材2025(札幌)

講演情報(2025年8月7日付 確定版)

一般講演

【一般講演】湿式素材プロセッシング [9/3(水) AM  第2会場]

2025年9月3日(水) 08:50 〜 12:00 第2会場 (C棟2階213)

司会:谷ノ内 勇樹(九州大学)、八木 俊介(東京大学)

●湿式素材プロセッシング:湿式製錬,リサイクル,水溶液をはじめとする溶液系での新素材の製造に関する反応,電解もしくはバイオリーチングなどについてその熱力学・速度論などの学問的議論を行う。

<発表:20分中、講演12分、質疑応答8分/1件>

09:50 〜 10:10

[2201-09-04] パラジウムの溶媒抽出における抽出剤との形成錯体構造と抽出機構

○篠田 弘造1、小野寺 和輝2、山田 学2、柴山 敦2 (1. 東北大学、2. 秋田大学)

司会:谷ノ内 勇樹(九州大学)

キーワード:有用金属回収、硫黄架橋型ジチオフェノール系誘導体、X線吸収分光

白金族金属(PGMs)の使用済み製品からの効率的回収のため、高い選択性、効果的抽出、および大抽出容量を有する抽出剤が求められている。我々は硫黄で架橋されたジチオフェノール配位子に基づく新たな抽出剤を合成し、Pd(II)の溶媒抽出に有効であることを見出した。しかし抽出後の抽出剤-Pd(II)錯体構造が不明であった。そこでPd K吸収端における蛍光収量モードX線吸収分光測定を実施し、抽出液から作製した単結晶に対するX線回折測定、解析より導出された錯体構造をベースに抽出液中錯体のPd(II)を中心とする局所環境構造を調べた。HCl水溶液から抽出剤を含むトルエン溶液へのPd(II)抽出率はHCl濃度が0.1から10Mと高くなるに従って低下するが、Pd(II)周囲の配位構造に差異はなく、抽出剤分子中架橋Sと片方のチオフェノールのSおよび2個のClによる平面4配位となっていることがわかった。

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