○Tsukasa Shiratori1[Student presentation: Bachelor’s course], Hayato Matsumoto1, Shigeki Okamura1, Takahiro Kinoshita1, Satoshi Fujita2, Kazuhiro Tanaka3, Tetsu Ogawa3
(1. Toyama Prefectural University, 2. Tokyo Denki University, 3. Toshiba Elevator and Building Systems Corporation)
司会:鈴木耕一((株)コラボテック)
Keywords:Elevator Rope, Damping Ratio, Free Vibration Test
近年の建築物の高層化に伴い,使用されるエレベータロープも長尺となっている.その結果,ロープの固有周期が高層建築物の固有周期に接近し,地震や強風等の条件によっては,昇降路内でロープが大きく揺れ,機器の損傷やロープの引っ掛かり事案が報告されることがある.エレベータを安全に運用するために,地震応答解析を実施し,ロープ挙動を把握することで安全性確保やリスク評価について検討が加えられている.これらの応答解析では,ロープの減衰比は一定としているが,我々は実機ロープの自由振動試験において,比較的振幅の小さい範囲でロープの減衰比に変位依存性があることを確認している.減衰比に影響を与える因子を検討し,解析精度の向上を目的とし,ロープの要素試験を実施したところ,減衰比の変位依存性はロープの内部損失が支配的であることが分かった.ロープの内部損失は,ロープの構成や心綱の素材など様々な因子が影響を及ぼしていると思われる.2025年度ではロープの減衰比に大きく影響を与えると考えられる心綱の素材の違いに着目して,2024年度に引続き自由振動試験を行ったため,本報ではそこから得られた分析結果について報告する.
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