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[3401-09-04] 疎水的イオンペア形成によるNi-bipyridine系触媒廃液からのNiの沈殿回収
司会:林 直人(産業技術総合研究所)
キーワード:ニッケル、2,2'-ビピリジン、触媒廃液、イオンペア、沈殿
ニッケル(Ni)は、ステンレス鋼製造をはじめ、近年では電池材料としての需要も高まっており、広く産業活動で必要不可欠な元素の一つになっている。安定的な資源供給のため、各業界でのNiのリサイクル技術の確立も今後ますます重要になると考えられる。Niは、有機合成やCO2還元の触媒としても重宝されている。触媒廃液は、その使用環境より組成が均一な廃液を回収できるため、ラボスケール・プラントスケールでのNiの循環利用も容易になる。これらの触媒には、2,2’-bipyridine(bpy)がキレート剤として含まれている。そのため、Niは安定性の高い錯体で溶存しており、水酸化物や硫化物としての沈殿分離は困難となる。ピリジン系のキレート剤との金属錯体は過塩素酸イオンなどの特定のアニオンを対イオンとする場合、イオン対全体での分極が解消されることで疎水的に振る舞うことが知られている。本研究では、過塩素酸イオンとのイオン対形成によるNi-bipyridine錯体の疎水化を利用した触媒廃液からのNiの回収手法を開発した。本講演では、イオン対を沈殿分離する場合の条件と回収率について報告する。
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