第14回奈良県作業療法学会

学会長挨拶

 


第14回奈良県作業療法学会

学会長  毛利 陽介

白鳳短期大学


 

第14回奈良県作業療法学会は、新型コロナウィルス感染症の影響を受けて、昨年に引き続きオンラインにて開催される運びとなりました。今年度は対面での現地開催と考えておりましたが、年明けからの感染者の急増で収束の見通しが立たないことから諦めざるをえない状況となりました。そのような中、実行委員をはじめとした本学会に関わる皆様のご尽力により開催できましたことを心より感謝申し上げます。

今回の学会は「作業療法の可能性~価値の共創~」をテーマに開催いたします。発達期から高齢期まで幅広く関わる職種である作業療法士はどのようなことができるのかを皆さんと一緒に考えていきたいと思いました。特に本邦では高齢者の約4人に1人が認知症または軽度認知障害であるとされており、だれもが関わりうる身近なものとなってきております。そのような現状のなかで高齢者やその家族が大切にしているものとは何か、これから何を大切にしてくのか、地域で暮らす人々と我々作業療法士が共に創り出せる価値とは如何なるものか。人の生活に密接にかかわっている作業療法士のこれからの可能性について再認識できる場になればと想います。

そこで特別講演では、鹿児島大学教授の田平先生をお招きして認知症高齢者に対する生活行為の捉え方や評価の仕方についてご解説頂きます。また、教育講演として発達期・高次機能・地域の各分野での奈良県での先駆的な取り組みについてお話をして頂きます。是非参考にして頂き、明日からの臨床に活かして頂きたいを思います。

本大会はオンラインでの開催となりましたが、ライブ配信とオンデマンドを併用して実施します。臨場感あふれるライブ配信と、オンデマンドを併用することで、参加者の良いタイミングで視聴することが可能となっております。当日が仕事などで視聴できない会員の皆さんも、是非ご参加をお願い致します。

演題数は17演題で、身障・発達・精神の各分野からの演題が出ており、その半数以上が経験年数5年未満の会員の発表であります。奈良県作業療法士会の会員数は600名弱でその組織構成も同じく5年未満の会員が1/3を占める若い団体であります。その若い会員の皆さんが自ら積極的に発表を行い知識・技術の向上を図っていることはとても頼もしく感じます。

この奈良学会に多数の県士会員が参加し、若い会員の登竜門の一つとして、またたくさんの意見交換が行われ作業療法の可能性に向かってともに考え、地域医療・福祉の向上に寄与できる大会となりますよう、祈念し挨拶とさせて頂きます。