第33回大阪府理学療法学術大会

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Web Poster

[P-13] P-13

Sun. Jul 11, 2021 8:45 AM - 3:30 PM Web Poster:P-13 (webポスター会場)

座長:水野 稔基(大阪行岡医療大学)

[P-13-01] 歩行動作における口頭指示の違いによるTLAの変化について

*井上 吉史1、植竹 耕平1、小林 勇太1、堀 平人1 (1. 東和病院)

背景と目的

脳卒中後の患者や健常者の歩行速度の増加において、立脚後期のTLA(Trailing Limb Angel:大転子から第5中足骨頭へのベクトルと垂直軸のなす角)の増加は足関節底屈筋群に比べ2倍の寄与率を示し、TLAに対して介入することが有力なアプローチであることが報告されている(Hsiao、2015)。昨今、新型コロナウイルスの感染拡大防止の影響もあり、理学療法の場面においても非接触(ハンズオフ)が推奨されている。今回、1症例において自然歩行と異なる3つの口頭指示(①大股で歩いて下さい、②踵から足が着くように歩いて下さい、③後ろ足をギリギリまで残して歩いて下さい)を入力した場合の歩行において、TLAや実用性に変化が現れるか臨床研究を行ったのでここに報告する。

方法

対象は今回の研究趣旨を理解し協力を頂けた、左脛骨高原骨折、第12胸椎圧迫骨折の診断をうけた70歳代女性とした。ダーメンコルセットを着用の上10m歩行が可能である。事前の評価では股関節伸展、膝関節伸展での足関節背屈可動域を測定し、著明な制限がないことを確認した。方法は実験内容を説明し、始めに自然歩行にて10m歩行を実施後、3つの口頭指示にてそれぞれ10m歩行を実施、その様子を動画にて撮影した。それぞれの口頭指示間での休憩は3分とした。この条件により、10mの歩行タイム、歩数、TLAを測定した。

結果

自然歩行(10.3秒、19歩、12.6°)、口頭指示①(9.1秒、17歩、16.5°)②(11.6秒、19歩、11.7°)、③(13.9秒、20歩、11.7°)という結果となった。従って、口頭指示①が自然歩行とその他の2つの口頭指示による測定項目全てにおいて変化がみられた。

結論

本症例では、歩行実用性獲得するためには口頭指示①が有用ではないかと考える。しかし、今回の臨床研究では1症例でしか行えていないため、今後より多くの健常者での測定や他疾患でも検証を続け、比較、考察していきたいと考える。

倫理的配慮、説明と同意

本研究は倫理的原則に基づき、対象者の個人情報を保護し、対象者への研究の目的、方法等を口頭、書面にて説明し、自由意思により同意を得て実施した。

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