[P-13-03] 透析クリニックスタッフは透析中の運動療法を必要と考えているか?
【背景と目的】
近年、透析中における運動療法の有効性に関する報告が増えている。当院でも透析中の運動療法を5年前から開始してきた。透析中運動療法の有効性に関する報告は増えているが、運動を取り入れていなかった透析クリニックにおいて透析中運動療法を開始した透析スタッフの心境変化について着目した発表はなく、明らかになっていない。そこで今回透析クリニックスタッフ(医師・看護師・臨床工学技士)23名に対して理学療法士による運動療法を取り入れ始めた時(PT介入前)と現在ではどのように心境の変化が起こったのかを今回調査したので報告する。
【方法】
新しく運動療法を開始した血液透析 (hemodialysis : HD) 3施設の医師・看護師・臨床工学技士23名を対象に、PT介入前と現在との透析スタッフの心境変化についてのアンケートを実施した。質問紙の構成は、1透析中の運動療法は必要か、2透析中にPTが運動療法を実施することで仕事の負担が増えるか、3透析中の運動療法はリスクが高いかとし、各項目には「はい、どちらでもない、いいえ」を選択できるようにし、それぞれの項目で自由に意見を記載できるようにした。
【結果】
回収数は23名(100%)で内訳は医師1名、看護師13名、臨床工学技士9名であった。1は「はい」が介入前18名、現在19名、「どちらでもない」が介入前5名、現在4名であり、PT介入前から運動の必要性を感じているスタッフが多く、現在も同様の結果であった。しかし、実際は介入時に「はい」を選んでいたが、現在は「どちらでもない」を選択したスタッフが3名いた。この主な理由は、対象者のADLの改善がみられていないことが挙げられていた。2は「はい」が介入前0名、現在2名であった。意見ではPTが介入するのであれば仕事負担は変わらないという意見が多かったが、運動指導によって仕事が増えるという意見もあった。3は「はい」が介入前1名、現在0名、「いいえ」が介入前22名、現在23名であり、透析中の運動療法においては介入前から理解を得られていたことがわかった。
【結論】
透析運動療法開始から現在に至るまでに透析患者のADL向上についての発表が徐々に増えてきており、以前のように透析だけ行い運動は行わないほうが良いという考えは減ってきた。今回のアンケートで透析運動療法開始から透析中の運動療法は必要であるという印象ではあったが、さらに透析中の運動療法の重要性をより深めた結果だった。しかし、依然として理学療法士が患者と運動するべきという回答が多かったことから、透析スタッフの負担に感じている面も浮き彫りになった。今後は透析施設スタッフ全員でチーム医療を再確認し、透析スタッフの負担になりすぎず、患者のADL向上を目標に透析中の運動療法を進めていくことが問題になってくると思われる。
【倫理的配慮】
本研究参加者には、研究⽬的、⽅法、参加は⾃由意志で拒否による不利益はないこと、及び、個⼈情報の保護について、⽂書と⼝頭で説明を行い、書⾯にて同意を得た。
近年、透析中における運動療法の有効性に関する報告が増えている。当院でも透析中の運動療法を5年前から開始してきた。透析中運動療法の有効性に関する報告は増えているが、運動を取り入れていなかった透析クリニックにおいて透析中運動療法を開始した透析スタッフの心境変化について着目した発表はなく、明らかになっていない。そこで今回透析クリニックスタッフ(医師・看護師・臨床工学技士)23名に対して理学療法士による運動療法を取り入れ始めた時(PT介入前)と現在ではどのように心境の変化が起こったのかを今回調査したので報告する。
【方法】
新しく運動療法を開始した血液透析 (hemodialysis : HD) 3施設の医師・看護師・臨床工学技士23名を対象に、PT介入前と現在との透析スタッフの心境変化についてのアンケートを実施した。質問紙の構成は、1透析中の運動療法は必要か、2透析中にPTが運動療法を実施することで仕事の負担が増えるか、3透析中の運動療法はリスクが高いかとし、各項目には「はい、どちらでもない、いいえ」を選択できるようにし、それぞれの項目で自由に意見を記載できるようにした。
【結果】
回収数は23名(100%)で内訳は医師1名、看護師13名、臨床工学技士9名であった。1は「はい」が介入前18名、現在19名、「どちらでもない」が介入前5名、現在4名であり、PT介入前から運動の必要性を感じているスタッフが多く、現在も同様の結果であった。しかし、実際は介入時に「はい」を選んでいたが、現在は「どちらでもない」を選択したスタッフが3名いた。この主な理由は、対象者のADLの改善がみられていないことが挙げられていた。2は「はい」が介入前0名、現在2名であった。意見ではPTが介入するのであれば仕事負担は変わらないという意見が多かったが、運動指導によって仕事が増えるという意見もあった。3は「はい」が介入前1名、現在0名、「いいえ」が介入前22名、現在23名であり、透析中の運動療法においては介入前から理解を得られていたことがわかった。
【結論】
透析運動療法開始から現在に至るまでに透析患者のADL向上についての発表が徐々に増えてきており、以前のように透析だけ行い運動は行わないほうが良いという考えは減ってきた。今回のアンケートで透析運動療法開始から透析中の運動療法は必要であるという印象ではあったが、さらに透析中の運動療法の重要性をより深めた結果だった。しかし、依然として理学療法士が患者と運動するべきという回答が多かったことから、透析スタッフの負担に感じている面も浮き彫りになった。今後は透析施設スタッフ全員でチーム医療を再確認し、透析スタッフの負担になりすぎず、患者のADL向上を目標に透析中の運動療法を進めていくことが問題になってくると思われる。
【倫理的配慮】
本研究参加者には、研究⽬的、⽅法、参加は⾃由意志で拒否による不利益はないこと、及び、個⼈情報の保護について、⽂書と⼝頭で説明を行い、書⾯にて同意を得た。
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