第34回大阪府理学療法学術大会

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Olal session

事前公開

[O-13] 一般演題(運動器⑤)

Sun. Jul 3, 2022 3:15 PM - 4:00 PM 会場4 (10階 1009会議室)

座長:今岡 真和(大阪河﨑リハビリテーション大学)

3:25 PM - 3:35 PM

[O-13-2] 橈骨遠位端骨折後のQOLに関連する機能障害の検討

高橋 佑生1, 河合 卓哉1, 松川 広紀1, 梅山 和也1, 西川 佳樹1, 安藤 萌1, 春内 奏人1, 吉中 康高2 (1.大東中央病院リハビリテーション室, 2.大東中央病院整形外科)

Keywords:橈骨遠位端骨折、QOL

【背景と目的】
わが国における橈骨遠位端骨折は全骨折中の16~20%を占めると言われており,理学療法士としても担当する機会が多い疾患の1つと言える.橈骨遠位端骨折後の理学療法を行う上で,患者の生活の質(以下,QOL)を把握することは重要であるが,機能障害との関連については一貫した研究結果は得られていない.そこで,本研究の目的を橈骨遠位端骨折後におけるQOLに関連する機能障害を明らかにすることとした.
【方法】
2018年9月から2022年2月に当院にて橈骨遠位端骨折術後,8週以上継続して理学療法を行い経過を追えた39例を対象とした.最終評価時(14.26±5.57週)の Patient-Rated Wrist Evaluation(以下,PRWE)で中央値より成績が良好であった20例をA群,不良であった19例をB群とし,2群間での機能障害を比較検討した.患者属性(A群/B群)は、年齢69.00±11.88歳/69.95±9.19歳,性別男4例女16例/男2例17例,利き手右19例左1例/右18例左1例,受傷側右10例左10例/右12例左7例,AO分類A11例B1例C8例/A7例B0例C12例である.機能障害の検討項目としては,ROMの健側比(背屈,掌屈,橈屈,尺屈,回内,回外),握力の健側比とした.統計ソフトRを使用し2群間でt検定を行った.有意水準は5%未満とした.
【結果】
全対象のPRWE中央値は12.50であった.2群の平均値(A群/B群)は,PRWE6.93/31.63,ROMの健側比背屈0.92/0.86,掌屈0.82/0.85,橈屈0.80/0.90,尺屈0.89/0.88,回内0.90/0.91,回外0.91/0.91,握力の健側比0.79/0.69であった.機能障害について2群間全項目で有意差を認めなかった.
【結論】
橈骨遠位端骨折後のQOLと機能障害の関連について検討を行ったが、今回の結果よりPRWEとROM,握力の健側比には関連を認めないことが示唆された.機能障害の評価として一般的に使用頻度の高いROMや握力測定ではあるが、QOLの向上を目的としたときには指標とはなりにくいということが言える.その理由として日常生活における上肢の役割としては複合的なものが多く単関節ごとの評価ではQOLに反映されにくいことが考えられる.今後は複合的な要素を検討していく必要がある.またQOLの構成要素には身体的側面のみでなく社会的,心理的側面といった要素も加わっており,それらを網羅していく必要がある.つまり,QOL向上を目的とした場合には身体的側面である機能障害については一指標となりうるが,生活背景に対する問診や心理的側面を評価できる評価ツールを使用して多方面から判断していく必要があると考えられる.