14:22 〜 14:34
[P-02-2] COVID-19の影響による趣味活動の制限と身体活動量~地域在住高齢者に着目して~ 【卒業研究】
キーワード:趣味、身体活動量
【背景と目的】
現在我が国において、高齢社会となり平均寿命は延長しているが健康寿命に追いついていないという問題が生じている。安永らは、身体活動量の強度と総量により、要介護に繋がりうる病気の予防が可能であると報告しており、身体活動量の向上は健康寿命の延伸に繋がると考えられる.また池田らは、身体活動量と趣味での外出頻度に影響があるが、趣味の内容や運動強度には影響がないと報告している.以上のことから、高齢者の身体活動量の維持には、趣味での外出が重要であると言える.
現在、COVID-19により自粛生活を余儀なくされ、身体活動量の約3割の減少が報告され、健康寿命への悪影響、趣味活動への制限が推察される.しかし、COVID-19による自粛が趣味活動への制限に及ぼす影響、身体活動量に影響を及ぼしているのかは検討されていない.
そこで、本研究では地域在住高齢者に対し、COVID-19の影響による趣味活動の制限の有無や、趣味活動の制限が身体活動量にどのように影響を及ぼすのかを明らかにすることを目的としている.
【方法】
対象は本学附属診療所に独歩で通院が可能な65歳以上の地域在住高齢者13名の内、データに欠損がない8名(年齢73.7±3.3歳)とした。
方法はアンケート調査(対象者本人の記載)、Fitbit社製の腕時計型測定装置(Chage2/ChargeHR)による計測を行った。
アンケート調査には、趣味活動(趣味活動の有無、趣味活動の場所、COVID-19による趣味活動の制限の有無)について自作のアンケート、生活の広がり(Life Space Assessment)、Montreal Cognitive Assessment、Geriatric Depression Scale-15、E-SAS(人とのつながり、転ばない自信)を用いた。
身体活動量の調査では、腕時計型測定装置を1週間装着してもらい、歩数を計測し、平均歩数を算出した。統計解析は、趣味ありと回答した対象者のうち、COVID-19によって趣味の制限あり群と制限なし群における調査項目の違いを比較するために、Mann-WhitneyのU検定、Fisherの正確確立検定を行った.解析にはSPSS(Var.26)を用い、有意水準を5%とした.
【結果】
趣味活動に制限あり群は62.5%(5名)、制限なし群は37.5%(3名)であった.2群間で、全ての項目に有意差を認めなかった(p>0.05).
【結論】
COVID-19による地域在住高齢者の趣味活動において、制限あり群の方が多い傾向にあった.これはCOVID-19により外出の自粛が余儀なくされることによって、趣味活動が制限されたと考えた.一方、身体活動量には影響がみられなかった.これは、研究対象者が独歩可能かつ外来通院が一人で可能であったことや、趣味活動以外の活動をしていた可能性があり、趣味制限の有無に関係しなかったと考えた.
今回の限界は、COVID-19が蔓延している中で実際に計測した研究であるため対象者数が少ないこと、趣味内容による違いや対象者の生活環境等を含めた詳細な分析に至らなかったことである.
現在我が国において、高齢社会となり平均寿命は延長しているが健康寿命に追いついていないという問題が生じている。安永らは、身体活動量の強度と総量により、要介護に繋がりうる病気の予防が可能であると報告しており、身体活動量の向上は健康寿命の延伸に繋がると考えられる.また池田らは、身体活動量と趣味での外出頻度に影響があるが、趣味の内容や運動強度には影響がないと報告している.以上のことから、高齢者の身体活動量の維持には、趣味での外出が重要であると言える.
現在、COVID-19により自粛生活を余儀なくされ、身体活動量の約3割の減少が報告され、健康寿命への悪影響、趣味活動への制限が推察される.しかし、COVID-19による自粛が趣味活動への制限に及ぼす影響、身体活動量に影響を及ぼしているのかは検討されていない.
そこで、本研究では地域在住高齢者に対し、COVID-19の影響による趣味活動の制限の有無や、趣味活動の制限が身体活動量にどのように影響を及ぼすのかを明らかにすることを目的としている.
【方法】
対象は本学附属診療所に独歩で通院が可能な65歳以上の地域在住高齢者13名の内、データに欠損がない8名(年齢73.7±3.3歳)とした。
方法はアンケート調査(対象者本人の記載)、Fitbit社製の腕時計型測定装置(Chage2/ChargeHR)による計測を行った。
アンケート調査には、趣味活動(趣味活動の有無、趣味活動の場所、COVID-19による趣味活動の制限の有無)について自作のアンケート、生活の広がり(Life Space Assessment)、Montreal Cognitive Assessment、Geriatric Depression Scale-15、E-SAS(人とのつながり、転ばない自信)を用いた。
身体活動量の調査では、腕時計型測定装置を1週間装着してもらい、歩数を計測し、平均歩数を算出した。統計解析は、趣味ありと回答した対象者のうち、COVID-19によって趣味の制限あり群と制限なし群における調査項目の違いを比較するために、Mann-WhitneyのU検定、Fisherの正確確立検定を行った.解析にはSPSS(Var.26)を用い、有意水準を5%とした.
【結果】
趣味活動に制限あり群は62.5%(5名)、制限なし群は37.5%(3名)であった.2群間で、全ての項目に有意差を認めなかった(p>0.05).
【結論】
COVID-19による地域在住高齢者の趣味活動において、制限あり群の方が多い傾向にあった.これはCOVID-19により外出の自粛が余儀なくされることによって、趣味活動が制限されたと考えた.一方、身体活動量には影響がみられなかった.これは、研究対象者が独歩可能かつ外来通院が一人で可能であったことや、趣味活動以外の活動をしていた可能性があり、趣味制限の有無に関係しなかったと考えた.
今回の限界は、COVID-19が蔓延している中で実際に計測した研究であるため対象者数が少ないこと、趣味内容による違いや対象者の生活環境等を含めた詳細な分析に至らなかったことである.