1:30 PM - 3:10 PM
[28PO8-pm1-10S] Effect of light irradiation on the photoracemization of chiral sulfoxides
【背景・目的】スルホキシドの中心不斉は200 ℃ 近くまで加熱しても安定であるが、適切な波長の光を照射することで容易にラセミ化することが知られている。私たちは、すでに1 mol% の2,4,6-Triphenylpyrylium tetrafluoroborate (TPT+) 共存下、可視光照射によりキラルなスルホキシドのラセミ化反応を高速で行うことに成功した1(Scheme 1)。本反応において、照射波長や照射量が反応速度に及ぼす影響は詳細に調べられていない。そこで、キラルスルホキシドの光ラセミ化反応に対し、照射波長や照射量の影響を明らかにすることとした。
【方法・結果】キラルスルホキシド (+)- 1aに対し、365 nm、385 nm 及び 405 nmの各波長を照射した。各照射量 (mJ/cm2) におけるキラルスルホキシドの光学純度 (%ee) の変化をプロットし、光ラセミ化反応の最適波長を検討した(Fig. 1)。その結果、405 nmでの光ラセミ化の速度が最も速かった。また、4-トルイル基を有する(+)- 1a、及び、2-ピリジル基を有する1bにおいてラセミ化に要する照射量を調べた結果、官能基ごとに必要とする照射量が異なることがわかった(Fig. 2)。
【文献】1. Kosho Makino, Kumi Tozawa, Yuki Tanaka, Akiko Inagaki, Hidetsugu Tabata, Tetsuta Oshitari, Hideaki Natsugari, Hideyo Takahashi. J. Org. Chem. 2021 in press, https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.joc.1c02320

【方法・結果】キラルスルホキシド (+)- 1aに対し、365 nm、385 nm 及び 405 nmの各波長を照射した。各照射量 (mJ/cm2) におけるキラルスルホキシドの光学純度 (%ee) の変化をプロットし、光ラセミ化反応の最適波長を検討した(Fig. 1)。その結果、405 nmでの光ラセミ化の速度が最も速かった。また、4-トルイル基を有する(+)- 1a、及び、2-ピリジル基を有する1bにおいてラセミ化に要する照射量を調べた結果、官能基ごとに必要とする照射量が異なることがわかった(Fig. 2)。
【文献】1. Kosho Makino, Kumi Tozawa, Yuki Tanaka, Akiko Inagaki, Hidetsugu Tabata, Tetsuta Oshitari, Hideaki Natsugari, Hideyo Takahashi. J. Org. Chem. 2021 in press, https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.joc.1c02320
