[AW-11] 外来がん治療患者フォローアップにおける良質な薬薬連携の寄与
【目的】安全ながん薬物療法の実施にあたり、薬局薬剤師と医師、病院薬剤師等との密な連携を土台とするシームレスな医療の実践が不可欠である。本研究では、当薬局から応需元病院へ送付したトレーシングレポート(TR)の内容とその後の治療状況を調査し、がん薬物療法適正化への貢献度を明らかにする。
【方法】2022 年2 月1 日~4 月29 日の調査期間内に、外来がん薬物療法実施後の初回電話フォローを行った95 名の患者を対象にTRの記載内容、薬剤服用歴管理記録の内容を精査した。次に、その内容に基づき、説明変数として「薬局薬剤師の処方提案の有無」、「病院薬剤師からの事前情報提供文書の有無」、比較対象に「併存症の有無」、「複数医療機関受診の有無」を採用し、「当該クール中の体調変化に起因する次回治療変更の有無」を目的変数として、ロジスティック回帰分析を行った。統計解析ソフトは、IBM SPSS Statistics 28®(日本IBM(株)東京)を用い、有意水準は5 %未満とした。本研究は茨城県薬剤師会倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号:202102 )。
【結果】95 例中、TRの送付件数は95 件、処方提案の実施は30 件であった。ロジスティック回帰分析の結果、「薬局薬剤師の処方提案」(OR 8.121 ;95 %CI 2.734 -23.956)、「病院薬剤師からの事前情報提供文書」(OR 3.456 ;95 %CI 1.170 -10.204 )の2群について、有意差をもって「体調変化に起因する次回治療変更」に正の影響を与えることが示された。
【考察】薬局薬剤師が電話フォローの際に患者に生じた体調変化を逃さず捉えTRに反映させた場合に、次回治療の適正化に一定の貢献ができていると考えられる。また、病院薬剤師からの事前情報提供は薬局薬剤師の患者背景把握やレジメン理解の一助となり、両者が良質なシナジー効果を形成していることが示唆された。
【方法】2022 年2 月1 日~4 月29 日の調査期間内に、外来がん薬物療法実施後の初回電話フォローを行った95 名の患者を対象にTRの記載内容、薬剤服用歴管理記録の内容を精査した。次に、その内容に基づき、説明変数として「薬局薬剤師の処方提案の有無」、「病院薬剤師からの事前情報提供文書の有無」、比較対象に「併存症の有無」、「複数医療機関受診の有無」を採用し、「当該クール中の体調変化に起因する次回治療変更の有無」を目的変数として、ロジスティック回帰分析を行った。統計解析ソフトは、IBM SPSS Statistics 28®(日本IBM(株)東京)を用い、有意水準は5 %未満とした。本研究は茨城県薬剤師会倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号:202102 )。
【結果】95 例中、TRの送付件数は95 件、処方提案の実施は30 件であった。ロジスティック回帰分析の結果、「薬局薬剤師の処方提案」(OR 8.121 ;95 %CI 2.734 -23.956)、「病院薬剤師からの事前情報提供文書」(OR 3.456 ;95 %CI 1.170 -10.204 )の2群について、有意差をもって「体調変化に起因する次回治療変更」に正の影響を与えることが示された。
【考察】薬局薬剤師が電話フォローの際に患者に生じた体調変化を逃さず捉えTRに反映させた場合に、次回治療の適正化に一定の貢献ができていると考えられる。また、病院薬剤師からの事前情報提供は薬局薬剤師の患者背景把握やレジメン理解の一助となり、両者が良質なシナジー効果を形成していることが示唆された。