第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

Sun. Nov 6, 2022 2:10 PM - 3:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-026-B] 糖尿病患者への来局間服薬フォローアップの有用性について

渡辺 俊1, 伊地智 隆之2, 永野 悠馬1, 前田 守1, 緒形 富雄1, 市ノ渡 真史1, 長谷川 佳孝1, 月岡 良太1, 大石 美也1 (1.(株)アインホールディングス, 2.(株)アインファーマシーズ アイン薬局 築館店)

【目的】糖尿病治療では合併症の予防に向けた血糖値コントロールが重要であり、経口糖尿病薬服用中の患者においては、服薬コンプライアンス(以下、CPL)の維持が重要である。そこで、薬局薬剤師の服薬フォローアップ(以下、服薬FU)が経口糖尿病治療薬のCPL維持に貢献した事例から、その有用性を考察した。
【方法】当社グループの薬局薬剤師が2017年1月から2022年3月に報告した薬局プレアボイド116,194件から、服薬FUが経口糖尿病治療薬の治療継続に貢献した代表例を抽出した(アイングループ医療研究倫理審査委員会の承認番号:AHD-0126)。
【結果】以下2例を抽出した。1.リナグリプチン(LIN)が新規処方された70歳代男性患者の血糖値コントロールが不良のため、LINとエンパグリフロジン(EMP)の合剤に変更となった。LIN処方1週間後の服薬FUでCPL良好を聴取したが、その後に指先が腫れ、CPL不良になったことを確認した。疑義照会にて「LIN副作用発現の可能性」「CPL不良に起因する血糖値コントロール不良」を医師に伝えたところ、EMP単剤に処方変更された。1週間後の服薬FUで「血糖値コントロール良好」「CPL良好」「指先の腫れなし」を確認した。2.ピオグリタゾン(以下、PIO)からボグリボース(以下、VOG)へ処方変更した70歳代男性患者に実施した5日後の服薬FUで、便秘と放屁を確認した。医師への電話確認で、副作用を抑えつつVOGへ変更するために、次回受診までは手持ちのPIOを服用しつつ、VOGを毎食直前から夕食直前に服用することになった。
【考察】本事例から、来局間の服薬FUは「副作用の早期発見」「治療効果不良の原因把握」「治療方針の適正化」などに貢献することが示唆された。薬局薬剤師は、安全かつ効果的な外来薬物療法の実現に向けて、薬学的知見に基づく介入に加え、かかりつけ機能や服薬FU等を通じて、来局間の患者状況を見守る役割を果たすことが必要と考える。