第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Sun. Nov 6, 2022 3:10 PM - 4:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-033-C] 服用薬剤調整支援料1を算定した症例に関する調査

寺澤 紗英, 畠山 規明 (たんぽぽ薬局 (株))


【目的】ポリファーマシーとは、必要以上の薬が処方されることによって、有害事象のリスク増加や、服薬アドヒアランス低下等の問題に繋がる状態を指す。薬による有害事象は、薬の数が6種類を超えると発生頻度が大きく増加するというデータもある(高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015)。そこで、内服薬6種類以上の患者に対して算定可能な服用薬剤調整支援料1を算定した症例を詳しく調査することで、処方の適正化に繋げることを目的とする。
【方法】当薬局A店において、2019年12月~2022年3月の期間中、服用薬剤調整支援料1を算定した患者24名(施設入居患者20名、外来患者2名、個人在宅患者2名、算定件数合計26件)について、減薬に繋がった内服薬の種類、算定後1年以内に再開した人の割合と内訳、本人または家族から減薬希望があった割合について調査した。
【結果】今回、全体で28種類の薬剤を減薬した。薬効別にみると、最も多かったのが降圧薬及び鎮痛薬で各8件、次いでビタミン剤が6件、排尿障害治療薬、下剤が各5件であった。その他、検査値高値による中止が3件あり、活性型ビタミンD3製剤、葉酸補給薬、カリウム製剤であった。26件の算定のうち1年以内に再開した件数は3件で、降圧薬が2件、抗認知症薬が1件であった。降圧薬2件においては、いずれも冬季に再開された。算定した患者24名のうち、本人や家族からの減薬希望があったのは9名(37.5%) であった。
【考察】鎮痛薬やビタミン剤で減薬後に再開した患者はいなかったことから、漫然投与に陥らないよう、継続の必要性を定期的に検討することが重要である。また、本人や家族からの減薬希望を聞くとともに患者の体調・季節も考慮しながら検査値をモニタリングすることで減薬に繋がる可能性も示唆された。