第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

Sun. Nov 6, 2022 2:10 PM - 3:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-038-B] 書面による服薬フォローの啓発活動と電話相談件数の検討

佐藤 裕介, 北村 道子, 亀田 のどか, 本郷 晶子 ((株)なの花西日本 調剤事業部)


【目的】2020年9月より服薬期間中のフォローアップ(以下、服薬フォロー)が法制化され薬剤師の通常業務となった。しかし服薬フォローすべきイベントは予測困難なものもあり、薬剤師からの一方的な服薬フォローのみでは一元的・継続的な把握を行うには不十分である。そこで薬剤師が電話等で行う能動的な服薬フォローと、患者からの相談に対応する受動的な服薬フォローを並行して行うことが服薬情報の一元的・継続的な把握に繋がると考え服薬フォローに関する啓発を書面で行い患者からの電話相談を促す取り組みを行った。
【方法】広島県の、なの花薬局1店舗において取り組み開始前2021年1月1日~2月28日(以下、プレ期間)の電話相談件数を集計し、2021年3月1日~6月30日(以下、ポスト期間)に来局した全患者に対し調剤時以外でも電話相談を積極的に対応する旨のリーフレットの配布を行い、期間中に対応した電話相談内容について集計を行た。
【結果】ポスト期間に来局した1660人にリーフレットの配布を行った。プレ期間の相談数は1月3人、2月2人で、ポスト期間は3月6人、4月9人、5月11人、6月13人、全期間の相談者の年齢中央値は78歳(四分位範囲66-85)、男性17人(38.6%)、であった。相談結果は「他医療機関との飲み合わせ」7人、「CoVワクチンと服用薬の相談」6人、「OTCと服用薬の飲み合わせ」6人であった。
【考察】取り組みを通じて、予測困難である突発的な医療機関の受診やOTC利用を把握するきっかけとなった。これらの早期把握が、予期せぬ重複や過量投与等の回避につながることから取り組み自体は有用であると考える。しかし件数については毎月一定数の相談があったものの取り組みの効果と結論付けるには不十分と考え、啓発方法については再考する必要がある。服薬情報の一元的・継続的な把握には相談しやすい体制整備が必要でありその一環として患者への啓発活動は今後も継続していく予定である。