第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

2022年11月6日(日) 13:10 〜 14:00 ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-052-A] 患者への積極的なテレフォンフォローアップによる疼痛コントロール改善の一例

野口 実香, 田中 のり子, 山口 紗登美, 細川 雅生 (たんぽぽ薬局 (株))


【目的】改正薬機法において薬剤交付後の服薬フォローアップが義務化された。そこで今回、テレフォンフォローアップ(以下TF)を実施したことによる疼痛コントロール改善が見られた事例について報告する。
【患者背景】70代女性。胆道がん、GC(GEM+CDDP)療法実施、膵臓への転移あり、切除不能。疼痛に対する処方はNSAIDsのみ。投薬時は点滴後で体調が優れず、経過の確認が薬局では充分に実施できない為、TFを実施。
【経過】痛みが強くNRS7と評価し、医療用麻薬を提案した(X日)。X+6日の受診時に、ヒドロモルフォン4mg/日+1mg頓用にて処方開始。X+9日のTFにて、眠気を確認するが様子を見ることに(NRS4)。X+12日のTFにて、常に眠く、浮腫もあり耐えられないと訴えがあり、処方医に確認し処方中止となる。X+20日の受診ではNRS4、X+27日のTFではNRS5、X+34日のTFではNRS7と確認し、NSAIDsの増量を勧め、X+41日の受診時に増量となる。X+48日のTFにて、眠れないほど痛みが強い事を確認(NRS8)。また以前の経験から、医療用麻薬に対して不安感があり、我慢していることがわかる。癌性疼痛には医療用麻薬が効果的であり、眠気等の副作用も減量にて軽減できる可能性があると説明し、処方医にもその旨をトレーシングレポートにて報告。X+62日の受診時にヒドロモルフォン2mg/日にて再開。X+67日のTFにて、傾眠の訴え等はなく痛みの改善も確認(NRS3)。
【考察】TFを行い、疼痛の程度や服用に対する考えを確認する事によって、患者の疼痛コントロールに深く介入出来たと考える。服薬フォローアップを継続して行う事で、患者の状態にあわせた的確な服薬指導と処方医との連携に繋がり、かかりつけ薬局・薬剤師としての機能が果たせると考えられる。