第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

Sun. Nov 6, 2022 1:10 PM - 2:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-049-A] 生活習慣への指導を行いBPSDの原因と考えられる便秘症状を改善し、易怒性の発現頻度を軽減した事例

野村 寛子1, 清塚 千夏2 (1.クラフト(株)さくら薬局川越新富町店, 2.クラフト(株)教育企画部)

【目的】軽度アルツハイマー型認知症と診断された患者に対して、処方医への処方提案と生活習慣改善のための指導を行い、易怒性の発現が減少した事例を報告する。
【患者情報】80代男性、妻と2人暮らし。現病歴は高血圧症、糖尿病、関節リウマチ、高尿酸血症、便秘症、軽度アルツハイマー型認知症。20XX年物忘れや易怒性がみられるようになり、軽度アルツハイマー型認知症と診断され、薬物治療を開始した。
【介入】妻から便秘悪化時にBPSDと思われる不機嫌状態になることが多いと聞き取った。アローゼン顆粒®を服用していたが、便秘症状に効果不十分であることと薬剤耐性の可能性があると考え、酸化マグネシウム剤へ処方変更の提案を行った。また、認知症進行に影響を与える可能性のある糖尿病を改善するため、管理栄養士が作成したレシピや、糖質、食物繊維量の見比べ表を使って食事指導を実施した。関節リウマチによる足の痛みや無気力状態によって定期的な妻との散歩がなくなり、病院受診の際しか外出しなくなっていたため、筋力低下を予防するための体操を指導した。
【結果及び考察】便秘薬の処方変更はなかったが、食事改善によって週に1回から2~3日に1回の便通が得られるようになった。便秘による腹部の違和感から不機嫌な状態が見られていたが、便通改善により不機嫌な状態が減少したと妻より聞き取った。運動不足に対しては運動器具を使い、活動量が増加した。ポリファーマシーによって便秘を引き起こしている可能性があるため、減薬可能かを検討する。認知機能に関してはこまめな聞き取りを行い、物忘れや易怒性を継続的に観察して患者の変化に対応していく必要があると考える。