第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Sun. Nov 6, 2022 3:10 PM - 4:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-057-C] 乳幼児の服薬に対する保護者の不安解消に向けた薬局薬剤師の役割

合葉 綾香1, 佐々木 英輔2, 大森 久美子1, 永野 悠馬3, 前田 守3, 緒形 富雄3, 市ノ渡 真史3, 長谷川 佳孝3, 月岡 良太3, 大石 美也3 (1.(株)アインファーマシーズ アイン薬局 向原店, 2.(株)アインファーマシーズ アイン薬局 武蔵村山店, 3.(株)アインホールディングス)

【目的】乳幼児の服薬アドヒアランスに保護者の不安等が影響することが容易に想像されるが、これに関する研究は少ない。そこで、乳幼児の服薬に関する保護者の不安を調査し、その解消にむけて薬局薬剤師が果たすべき役割を考察した。
【方法】2021年12月~2022年1月に当社が東京都で運営する保険薬局18店舗へ来局した患者のうち、児童福祉法の年齢区分に基づく乳児(1歳未満)および幼児(1~5歳)の保護者(275名)を対象に紙面アンケートを実施した。主な項目は「子の年齢」「子の出生順位」「子への薬の使用に関する不安」とした。結果は子の出生順位で第一子と第二子以降に群分けし、有意水準 0.05 としたカイ二乗検定および Fisher正確確率検定で統計解析した。また、調査店舗の薬剤師から、保護者の不安解消への貢献事例を聴取した(アイングループ医療研究倫理審査委員会承認番号:AHD-0144)。
【結果】有効回答269名(乳児:53名、幼児:216名、有効回答率97.8%)のうち186名(69.1%)に不安があった。第一子では、乳児の「薬の強さ(第一子:66.7%,第二子以降:23.8%)」「アレルギー(66.7%,28.6%)」、幼児の「服薬タイミング(32.9%,15.4%)」「薬の強さ(43.0%,24.6%)」「他薬との飲み合わせ(34.2%,15.4%)」で、第二子以降では幼児の「味やにおい(26.6%,50.8%)」で、有意に「不安」を感じる保護者が多かった。また、「氷等で舌を鈍化させる散剤の服用法」「授乳時毎のβ-ガラクトシダーゼ(ペニシリウム)服用」などの指導で保護者の不安を解消した事例が確認された。
【考察】第一子では「薬物服用に関与する項目」で、第二子以降では「子の嗜好に関する項目」で保護者が不安に感じる傾向が強く、それぞれ「子への服薬経験の少なさ」「先の出生順の子での経験」等の関与が考えられた。薬局薬剤師は、患者の家族構成を把握し、これに合わせた不安解消に努めることが重要である。