第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

2022年11月6日(日) 14:10 〜 15:00 ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-068-B] フロンティア薬局中の島店における薬剤使用期間中の患者フォローアップの実態

林 宜亨, 佐藤 雄一 ((株)フロンティア フロンティア薬局中の島店)

【目的】2019年12月に薬剤師法および医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律が改正され、薬剤師は、必要に応じて、調剤後の継続的な患者のフォローアップ(服薬フォロー)を行うことが義務付けられた。服薬フォロー対象とすべきケースや服薬フォロー方法の選択は、個々の薬剤師の判断に委ねられている。今回、当薬局における服薬フォローの実績を調査し、服薬フォローの有用性について評価した。
【方法】2022年4月1日~2022年6月15日を調査期間とした。原則、患者の同意を得た上で、電話や電子アプリの通知機能を用いて服薬フォローを行い、調査期間内の服薬フォロー件数、服薬フォロー完了率などを集計した。さらに、服薬フォロー内容やその後の対応から、服薬フォローの効果を評価した。なお、服薬フォロー完了率とは、患者との連絡がとれ、服薬フォローを実施できた割合とする。
【結果】集計期間内の服薬フォロー件数は延べ134件(電話:126件、電子アプリ:5件)であった。服薬フォロー完了率は91.0%(電話:92.9%、アプリ:40%)であった。服薬フォロー理由は、新規服用薬追加または増量処方が109件(81.3%)、減量または処方削除が11件(8.2%)、その他が14件(10.4%)であった。服薬フォローの結果、受診勧奨した事例は3件(2.2%)、服薬状況や副作用について医師へ報告した事例は5件(3.7%)であった。服薬フォロー後、かかりつけの同意に繋がった件数は5件あり、その内1件は、患者からの希望によるものであった。
【考察】受診勧奨や医師への報告事例が5.9%あったことから、服薬フォローが患者の適切な治療へ貢献できることが示唆された。当薬局における服薬フォローは、90%近くが処方変更を基にしていたが、処方変更が無い場合にも、ハイリスク薬などの副作用の発現リスクが高い医薬品を継続中の患者には、より積極的に服薬フォローを行っていきたいと考える。