第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

Sun. Nov 6, 2022 2:10 PM - 3:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-071-B] 降圧剤服用中の患者に対する高血圧治療への意識調査

古島 佳奈1, 井上 奏2 (1.(株)共栄堂 そよかぜ薬局, 2.ホーム調剤薬局)

【目的】高血圧患者へ服薬指導する際、各患者の治療に対する満足感は様々であると感じる。満足感の有無と患者自身の取組みとの関連性を知ることは服薬指導に役立つ。そこで、その関連性を探るため意識調査を行った。
【方法】2022年6月1日~14日に当薬局を訪れた降圧剤服用中患者に対し、自身が持つ降圧目標値(以下目標値)、普段の血圧(以下BP)、それに対する満足感の有無、BP測定と記録状況、BP変動パターンの認識、コンプライアンス、食事・運動療法・体重管理の取組みへの自己評価について聞取りと記録を行った。
【結果】73件の回答を得た(うち女性29名、平均68歳)。BP数値を答える質問全てに回答を得たのは45件だった。73件のうち、普段のBPに満足感が有るのは82.2%だった。家庭BPを定期的に測るのは37%、数値を毎回記録するのは49.3%だった。BP変動パターンの認識が有るのは58.9%、用法通り服薬しているのは87.7%だった。食事療法、運動療法、体重管理の自己評価項目それぞれにおいて肯定的な回答の割合は50.7%、58.9%、69.9%、満足感の有無別には、有る群で48.3%、56.7%、68.3%、無い群で61.5%、69.2%、76.9%だった。45件のうち、普段のBP、目標値の最頻値は130/70、120/80だった。普段のBPと目標値との差の平均は満足感の有る群で-1/-2、無い群で+12/+4だった。
【考察】大半は普段のBPに満足と答えたが、聞取り時「医師から言及がないため」という発言もあり、必ずしも目標が有って数値に満足するのではないと考えられる。満足感の有無で分けると測定・記録状況等について傾向は無かったが、自身の取組みについては満足感の無い群で肯定的な回答が多く、自己評価が高い傾向があった。十分取組んでいるのに目標値との開きが有るため満足感を得られないと想像される。患者満足のため、取組みに対する更に踏み込んだ指導や、時として目標値を意識させすぎないような指導が必要だと考えられる。