第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

2022年11月6日(日) 14:10 〜 15:00 ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-080-B] 新規糖尿病治療薬イメグリミンの適正使用に向けて薬局薬剤師が果たすべき役割

大藏 周人1, 前田 守2, 永野 悠馬2, 緒形 富雄2, 市ノ渡 真史2, 長谷川 佳孝2, 月岡 良太2, 大石 美也2 (1.(株)アインファーマシーズ ひばかり調剤薬局, 2.(株)アインホールディングス)

【目的】 新規経口糖尿病治療薬(以下、経口DM薬)のイメグリミン(以下、IMEG)は、添付文書に「ビグアナイド系(以下、BG)との併用初期に消化器症状の発現傾向がある」とされている。そこで、当社グループ保険薬局が応需した処方箋でのIMEGとBGとの併用状況を調査するとともに、IMEG・BG併用に関する薬局プレアボイドを調査し、薬局薬剤師の果たすべき役割を考察した。
【方法】 2021年9月から翌年4月にYJ:396(糖尿病用剤)に該当する経口DM薬を含む処方箋を応需した当社グループ保険薬局951店舗の匿名化レセプトデータを用い、IMEGを含む処方箋及びBG系の併用状況を調査した。また、同期間に当社グループの薬局薬剤師が報告した薬局プレアボイド14,249件から、IMEG・BG併用に関する事例を抽出した(アイングループ医療研究倫理審査委員会承認番号:AHD-165)。
【結果】 109店舗(11.5%)でIMEGを含む処方箋を計1,166枚応需しており、うち363枚(31.1%)にBGの併用が見られた。今回は匿名化レセプトデータでの調査であり、薬歴調査を実施していないため、これらの併用でどの程度に消化器症状が発生したかは定かではないが、実例として以下が確認できた。メトホルミン等を服薬中の70歳代男性患者に内科医からIMEGが追加されたが、その37日後に消化器症状(胃のむかむか、下痢、食欲不振)を訴えた。IMEG追加後の症状発現のため、IMEGを処方した内科医にトレーシングレポートで情報共有した。その19日後、患者が内科処方箋を持って来局した際、内科医からIMEG服用中止の指示があり、中止後に消化器症状が改善したことを聴取した。
【考察】 IMEG処方の31.1%にBG併用が確認され、消化器症状のリスクが懸念された。したがって、今回の事例のように、薬局薬剤師はBG服用患者にIMEGが新規処方された際、服用後の消化器症状を確認し、必要時には処方医への情報提供等を行い、早期対応に努めることが重要と考える。