[P-083-B] モルヌピラビル処方患者への服薬期間中のフォローアップの実施について
【はじめに】2020年9月施行の改正薬機法により、服薬期間中のフォローアップ(以下、服薬フォロー)が義務化された。2021年12月に特例承認された新型コロナウイルス感染症治療薬のモルヌピラビルについては日本人での臨床データが十分でないことから服薬フォローによるモニタリングが重要である。今回、組織としてモルヌピラビル服用患者への服薬フォローを支援する取り組みを実施したので内容を共有する。【取り組み概要】2022年1月19日にモルヌピラビルについての医薬品情報および服薬フォロー時に確認する内容を記載した資料を社内イントラにて当社の各薬局に案内した。また有害事象情報を早期に集約・共有するために、服薬フォロー実施時に聞き取った有害事象情報をマイクロソフト社のFormsを用いて報告するように案内した。2021年12月から2022年5月31日までの期間で、当薬局グループ内で対象期間中に175店舗で2051例にモルヌピラビルが調剤された。薬歴の記載内容から服薬フォローの実施が確認されたのは1274例(62.1%)であった。また当社での有害事象の収集は、2022年2月2日時点で106例の有害事象の有無の情報がFormsを用いて収集できた。複数例報告された有害事象は下痢16例、悪心4例、皮膚症状4例であった。【考察】今回、組織としてモルヌピラビルの服薬フォローの実施をサポートしたことにより、半数以上のモルヌピラビル服用患者に服薬フォローを実施することができた。これは早期に有害事象情報を集約したことで、治験時の有害事象より下痢の頻度が高い可能性があることを共有できたことが要因として考えられる。