第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

2022年11月6日(日) 14:10 〜 15:00 ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-086-B] かかりつけ薬剤師による「人生会議」普及に向けた取り組み-アンケート調査による検討-

高田 敦子, 田中 智也, 高橋 昌宏 ((株)ファーマシィ ファーマシィ薬局たかまつ)

【目的】地域包括ケアシステムは、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができることを目指すものであり、地域住民に対し「人生会議」(人生の最終段階の医療・ケアについての話し合い)に対する理解を広げることは、地域包括ケアシステムの構築・充実のために重要であると考え、その普及・啓発を目的とした講座を実施している。この度「人生会議」普及・啓発を目的とした講座を、より意義のあるものにするための情報を得ることを目的にアンケートを実施した。
【方法】2022年4月1日~5月31日にファーマシィ薬局たかまつに来局した患者のうち、研究責任者をかかりつけ薬剤師とする患者を対象に、人生会議に関する講座を行った後アンケートを実施した。
【結果】受講者25人全員から回答を得た。人生会議という言葉について22人が「知らなかった」と回答したが、講座後は95%にあたる21人が「どちらかと言えば知ることができた」「知ることができた」と回答した。また、人生会議の柱である「最期の医療やケアについて家族等との話し合い」について、参加者の半数以上が話し合っていないと回答したが、講座後は71%が話し合いたいと回答した。さらに柱の一つである「意思表示の書面」については、すでに作成していた参加者は12%に過ぎなかったが、講座後は95%が作成に前向きな意見を示した。また、最期の医療やケアを考えるために今後得たい情報については、「医療やサポート内容」を52%が、「施設・サービスの情報」は40%が選択された。
【考察】一般的に認知度は低いとされる「人生会議」だが、本講座参加者における認知度も非常に低かった。結果から本講座は、その認知度向上ならびに人生会議の柱とされる事柄の理解に有用と考えられた。今後、医療ケアチーム等と連携を図り、患者が「医療やサポートの内容」「施設・サービスの情報」等についての情報をスムーズに取得できるよう支援していきたい。