第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

2022年11月6日(日) 14:10 〜 15:00 ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-089-B] ICTを用いた地域包括ケアシステムと薬薬連携を活用した外来がん患者サポートの新たな取り組み~悪性リンパ腫患者の1例~

山崎 裕己1, 巽 清2 (1.サン薬局桜井西店, 2.(株)関西メディコ)

【目的】厚労省は医療・介護分野で情報通信技術(ICT)を推進。それにより電子化した患者情報を多職種スタッフと同時共有する事が出来、より連携をスムーズに行う事が可能。今回ICTを導入している地域包括ケアシステム加入中の患者で外来がん化学療法の症例検証。医療機関と連携し薬局薬剤師として患者サポート及び薬薬連携の充実に繋がるか調査した。
【方法】当薬局を利用し地域包括ケアシステムに加入中の対象患者の症例調査。
【結果】患者:60代男性。マントル細胞リンパ腫を患い通院にて化学療法。地域包括ケアシステムにより血液検査・当日に投与された抗がん剤の内容・CT写真等を把握する事が可能。また院内の薬剤部よりレジメンの内容、現在に至るまでの治療の経緯、副作用状況が化学療法情報提供書を用いて報告される。今回の患者ではR-CVP療法が施行中。3コース目に好中球:46.8%。ANC:1029/μl(Grade2)。day7にテレフォンフォローアップ(TF)し感染症等の有無を確認。体調良好で医療機関にも報告。4コース目のday3にTF。遅発性嘔吐の症状有り。現在メトクロプラミド注、グラニセトロン点滴静注バッグ等の支持療法が行われており他剤制吐剤の追加提案を行った。
【考察】ICTを用いた地域包括ケアシステムにより院内での投薬状況、血液検査の結果が確認出来る。また院内の薬剤部と連携する事で薬剤師視点からの患者状況が報告される。共に従来の調剤薬局では知り得る事の出来ない情報ばかりであり患者の状態がより理解出来る。そして薬局薬剤師として投薬から次回受診までの期間のフォローの重要性を強く考えるきっかけともなった。今後益々ICTを活用したシステムや薬薬連携の重要度が高まると感じる。それに伴い収集した情報を上手く活用する為の知識・多職種との連携も必須。際して患者の治療・サポートへの貢献にもなり、薬局薬剤師の存在意義をより高める事にも繋がると推測出来る。