[P-101-B] 臭化カリウムの服用性に関する情報や服用に伴う問題点に関する記述的研究
【目的】本邦におけるてんかんガイドラインには、薬剤抵抗性てんかんの治療薬として臭化カリウム(以下KBr)が記載されている。KBr原末は粒度分布が広く、流動性にばらつきを生じやすいことから、分割封入された薬剤の重量が不均一となる恐れがある。このことから、粉砕し粒度分布を揃えたうえでの分包が原則となるが、粉砕後は粉末状のため患者にとって扱いづらいことも想定される。KBrが有する苦味に、この扱いづらさが加わることで、患者の服用に悪影響を与える可能性がある。この度、より適切な指導につなげるため、KBrの製剤的特性に起因する服薬行動に対する障壁について患者または家族に対し聞き取り調査を行った。
【方法】2022年3月1日~5月31日にファーマシィ薬局大蔵に来局したKBrが処方された全患者またはその家族に対して、事前に作成したチェックリストに従い、KBrの服用状況や服用に伴う問題点等について聞き取りを行った。
【結果】3歳から35歳の5名の患者またはその家族に対し聞き取り調査を行った。全員が服用時は家族による介助が必要と回答した。1名は経管投与であり、使用上の問題はないという回答であった。経口にて服用を行っている4名のうち1名はカプセルに充填して服用を行っているが、粉砕した場合、カプセルへの充填が困難となるため、原末での調剤を希望した。また、3名は水に溶解した後に服用すると回答した。苦味による服用困難の訴えはなかったものの、粉末状であるため分包紙からの取り出しに難渋すると1名が回答した。
【考察】KBrの服用には全員が介助を必要としており、介助者が扱いやすいことも服薬を継続する上で重要と考えられた。カプセルへの充填時や分包紙からの取り出しに難渋するとの意見が見られた通り、粉砕し粉末状となったものは介助者にとって扱いづらい場合がある。ゆえに、患者の特性に応じ、KBrは粉砕だけでなく原末調剤も検討する必要があると考えられた。
【方法】2022年3月1日~5月31日にファーマシィ薬局大蔵に来局したKBrが処方された全患者またはその家族に対して、事前に作成したチェックリストに従い、KBrの服用状況や服用に伴う問題点等について聞き取りを行った。
【結果】3歳から35歳の5名の患者またはその家族に対し聞き取り調査を行った。全員が服用時は家族による介助が必要と回答した。1名は経管投与であり、使用上の問題はないという回答であった。経口にて服用を行っている4名のうち1名はカプセルに充填して服用を行っているが、粉砕した場合、カプセルへの充填が困難となるため、原末での調剤を希望した。また、3名は水に溶解した後に服用すると回答した。苦味による服用困難の訴えはなかったものの、粉末状であるため分包紙からの取り出しに難渋すると1名が回答した。
【考察】KBrの服用には全員が介助を必要としており、介助者が扱いやすいことも服薬を継続する上で重要と考えられた。カプセルへの充填時や分包紙からの取り出しに難渋するとの意見が見られた通り、粉砕し粉末状となったものは介助者にとって扱いづらい場合がある。ゆえに、患者の特性に応じ、KBrは粉砕だけでなく原末調剤も検討する必要があると考えられた。