[P-110-B] 直接経口抗凝固薬(DOAC)の適正使用のためのツールの開発と出血リスクの評価
【目的】
DOACは年齢、体重、腎機能など多くの用量調節因子が存在し、減量基準が煩雑で投与量設定には注意が必要である。また、出血リスクの評価は重要であり、特に消化管出血はワルファリンより頻度が高いとの報告もある。本研究の目的はアンケート調査によるDOAC調剤の現状把握と適正使用のためのツールを検討することである。
【方法】
アンケート調査:2022年3月24日~3月29日に当社調剤店舗の薬剤師を対象にDOAC調剤の現状ついて調査し、450名から回答を得た。使用したツール:RMP資材の投与前チェックシートをパウチ加工した。お薬手帳の表紙に服用中のDOACを表示する「血液サラサラシール(血のシール)」と血便の色調変化をチェックするための「スツールカラースケール(SCスケール)」を独自に作成した。薬歴調査:2022年3月1日~6月10日までに、当薬局でDOACが処方された患者を抽出し、出血リスクをHAS-BLEDスコア(HBスコア)で評価した。
【結果】
アンケート調査:減量基準の確認は添付文書が最も多く(80%)、RMP資材の活用は少なかった。特に注意している項目では出血(34%)、腎機能(25%)が多く、ツールの使用は「特にない」が88%であった。DOAC適正使用に向けた取り組み:減量基準確認のためRMP資材を活用した。投薬時に出血リスクを説明し、血のシールとSCスケールは患者同意の上で使用した。薬歴調査:DOAC処方箋の応需枚数は103枚でHBスコア3点以上の高リスク患者は5名であった。
【考察】
RMP資材の投薬前チェックシートは減量基準の確認に有用と考える。血のシールは地域医療における多職種連携ツールとして、SCスケールは消化管出血の早期発見ツールとして有用と考えられた。HBスコアを薬歴で管理・共有することで出血リスクの高い患者のフォローアップに活用できると思われた。
DOACは年齢、体重、腎機能など多くの用量調節因子が存在し、減量基準が煩雑で投与量設定には注意が必要である。また、出血リスクの評価は重要であり、特に消化管出血はワルファリンより頻度が高いとの報告もある。本研究の目的はアンケート調査によるDOAC調剤の現状把握と適正使用のためのツールを検討することである。
【方法】
アンケート調査:2022年3月24日~3月29日に当社調剤店舗の薬剤師を対象にDOAC調剤の現状ついて調査し、450名から回答を得た。使用したツール:RMP資材の投与前チェックシートをパウチ加工した。お薬手帳の表紙に服用中のDOACを表示する「血液サラサラシール(血のシール)」と血便の色調変化をチェックするための「スツールカラースケール(SCスケール)」を独自に作成した。薬歴調査:2022年3月1日~6月10日までに、当薬局でDOACが処方された患者を抽出し、出血リスクをHAS-BLEDスコア(HBスコア)で評価した。
【結果】
アンケート調査:減量基準の確認は添付文書が最も多く(80%)、RMP資材の活用は少なかった。特に注意している項目では出血(34%)、腎機能(25%)が多く、ツールの使用は「特にない」が88%であった。DOAC適正使用に向けた取り組み:減量基準確認のためRMP資材を活用した。投薬時に出血リスクを説明し、血のシールとSCスケールは患者同意の上で使用した。薬歴調査:DOAC処方箋の応需枚数は103枚でHBスコア3点以上の高リスク患者は5名であった。
【考察】
RMP資材の投薬前チェックシートは減量基準の確認に有用と考える。血のシールは地域医療における多職種連携ツールとして、SCスケールは消化管出血の早期発見ツールとして有用と考えられた。HBスコアを薬歴で管理・共有することで出血リスクの高い患者のフォローアップに活用できると思われた。