[P-107-B] 抗精神病薬服用患者の安全かつ効果的な外来薬物療法の継続に向けて薬局薬剤師が果たすべき役割
【目的】抗精神病薬は服薬コンプライアンスの維持が治療上重要となるが、多様な副作用発現による中断が懸念される。そこで、抗精神病薬服用患者の安全かつ効果的な外来薬物療法の継続に向けて薬局薬剤師が果たすべき役割を考察した。
【方法】当社グループの薬局薬剤師が2017年1月から2022年3月に報告した薬局プレアボイド116,194件から、抗精神病薬服用患者の外来薬物療法に関する代表例を抽出した(アイングループ医療研究倫理審査委員会の承認番号:AHD-0136)。
【結果】以下2例を抽出した。1.クエチアピンが頓服処方された20歳代男性患者への服薬フォローアップ(以下、服薬FU)で、服薬後に血圧が110/60程度から90/50程度に低下したと聴取した。副作用が疑われたため患者に受診勧奨し、その日の午後の受診でロラゼパムに変更となった。その後、半年にわたって低血圧の訴えは無かった。2.心療内科からブレクスピプラゾール(BREX)1.5mg が処方されている50歳代女性患者に対して、他診療科からピロリ除菌のためクラリスロマイシン(CAM)を含む3種類が処方された。 過去にBREX2mg服用でパーキンソン様症状(PS)を発現しており、CAMのCYP3A4阻害作用でBREXの代謝阻害・作用増強が懸念されたため、患者を介して心療内科にBREXの減量を提案したところ、除菌中はBREX1mgでの服用となった。除菌開始3日後の服薬FUで、PS発現も精神症状悪化もなく、服薬継続できていることを確認した。
【考察】本事例から、服薬FUによる「副作用の早期発見・早期対応」や服薬一元管理による「薬物間相互作用による効果増強・減弱の回避」等により、薬局薬剤師は抗精神病薬服用患者の安全かつ効果的な外来薬物療法の継続に貢献していることが示された。すなわち、薬局薬剤師は、薬効機序や相互作用などの薬学的知見に基づく介入に加え、服薬一元管理や服薬FU等を通じて、来局間の患者状況を見守る役割を果たすことが必要と考える。
【方法】当社グループの薬局薬剤師が2017年1月から2022年3月に報告した薬局プレアボイド116,194件から、抗精神病薬服用患者の外来薬物療法に関する代表例を抽出した(アイングループ医療研究倫理審査委員会の承認番号:AHD-0136)。
【結果】以下2例を抽出した。1.クエチアピンが頓服処方された20歳代男性患者への服薬フォローアップ(以下、服薬FU)で、服薬後に血圧が110/60程度から90/50程度に低下したと聴取した。副作用が疑われたため患者に受診勧奨し、その日の午後の受診でロラゼパムに変更となった。その後、半年にわたって低血圧の訴えは無かった。2.心療内科からブレクスピプラゾール(BREX)1.5mg が処方されている50歳代女性患者に対して、他診療科からピロリ除菌のためクラリスロマイシン(CAM)を含む3種類が処方された。 過去にBREX2mg服用でパーキンソン様症状(PS)を発現しており、CAMのCYP3A4阻害作用でBREXの代謝阻害・作用増強が懸念されたため、患者を介して心療内科にBREXの減量を提案したところ、除菌中はBREX1mgでの服用となった。除菌開始3日後の服薬FUで、PS発現も精神症状悪化もなく、服薬継続できていることを確認した。
【考察】本事例から、服薬FUによる「副作用の早期発見・早期対応」や服薬一元管理による「薬物間相互作用による効果増強・減弱の回避」等により、薬局薬剤師は抗精神病薬服用患者の安全かつ効果的な外来薬物療法の継続に貢献していることが示された。すなわち、薬局薬剤師は、薬効機序や相互作用などの薬学的知見に基づく介入に加え、服薬一元管理や服薬FU等を通じて、来局間の患者状況を見守る役割を果たすことが必要と考える。